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大阪府医師協同組合創立70周年

府医ニュース

2023年12月6日 第3056号

記念講演会・記念式典・記念祝賀会を挙行

 大阪府医師協同組合(小谷泰理事長)は、今年で創立70周年を迎えた。これを記念し、10月15日、大阪市内のホテルで創立70周年記念講演会・式典・祝賀会を挙行。同組合役職員をはじめ関係者約220人が参加した。

 記念講演会では、城郭考古学者である千田嘉博氏(名古屋市立大学高等教育院教授/奈良大学特別教授)が「豊臣大坂城惣構え発見の歴史的意義」と題して講演を行った。
 千田氏はまず、大坂城の歴史を概説した。大坂城は豊臣秀吉により築城。徳川幕府によって再築された際には、豊臣大坂城の痕跡を排除するように盛土をし、その上に新たに天守閣が建てられたと述べた。また、同組合の南館(大阪市中央区上本町西3)建設時の発掘調査により、豊臣時代の大坂城の惣構えの南端が発見されたと説示。これにより、惣構えの規模を確定できた意義は大きいと強調し、大坂冬の陣の豊臣と徳川による戦の実状を読み解く重要な手がかりになると締めくくった。
 引き続き記念式典に移り、同組合のこれまでの歩みを紹介する動画が放映された。さらに、創立70周年記念企画として実施された「マスコットキャラクターデザイン」の最優秀賞を発表。応募作品122点の中から中村貴成氏(辻野病院)の作品が最優秀賞に選ばれ、中村氏に小谷理事長より表彰状が授与された。
 続いて、記念祝賀会では小谷理事長があいさつ。昭和29年2月に戦後の混乱から開業医が一刻も早く復興するためには、医師自らの手で医業と暮らしを確保し、安定させなければならないという強い決意のもとに大阪府医師会代議員会の議決によって当組合が設立されたと回顧。これまで府医および大阪府医師信用組合とともに三位一体の協力体制で活動を続けていると述べ、今後も役職員はさらなる飛躍を目指し業務に邁進していくと誓った。
 来賓として参席した高井康之・府医会長は祝辞を披露。同組合による会員医師への様々なサポート事業に謝意を表した。さらに、来春のトリプル改定に言及。昨今の物価・人件費の高騰を憂慮し、医療機関では価格に転嫁できないことから、診療報酬で補う必要があると強調した。その上で、医師会の主張が受け入れられるためには組織率も重要な要素になってくると述べ、府医では新たにC会員のうち研修医2年間の会費無料期間を設けるなど組織強化に力を入れていると語り、協力を呼びかけた。
 次に、茂松茂人・日本医師会副会長が登壇。茂松・日医副会長は、同組合による開業支援や第三者継承事業に触れ、本事業が地域医療の継続性に寄与していると称えた。特に、新規開業にあたって国は様々な規制を検討していると危惧。皆保険制度とフリーアクセスの堅持、自由開業制を守っていくことが重要と力を込めた。
 上辻浩夫・大阪府医師信用組合理事長による乾杯の発声で歓談へと移り、参加者は懇親を深めた。