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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府医師会創立76周年記念式典を挙行

府医ニュース

2023年11月15日 第3054号

医学教育功労者はじめ功労会員らを顕彰

 大阪府医師会は11月3日午前、府医会館において、創立76周年記念式典を挙行。現執行部に加え、歴代の府医役員や郡市区等医師会長ら約60人が集い、76周年を祝した。また、医学教育功労者ならびに功労会員らを表彰し、これまでの功績をたたえた。

 式典は栗山隆信理事の司会で開会。中尾正俊副会長の開会の辞に続き、高井康之会長が式辞を述べた。高井会長は、昭和22年に新生医師会として創立以来、歴代会長や役員、会員の尽力により76周年を迎えられたと謝意を表した。また、来春に控えるトリプル改定に言及。賃金上昇や物価高騰の影響により、医療機関の経営は苦しい状況にありプラス改定の必要性を強調した。一方で、財務省の医療費抑制策などで厳しい改定が予想されると憂慮。「日本医師会を後押ししていきたい」との意向を示し、協力を呼びかけた。
 引き続き、令和5年秋の叙勲において、旭日双光章を受章した井口和彦・府医代議員会副議長、春ならびに秋の褒章において藍綬褒章を受章した宮川松剛理事、北村良夫理事が紹介され、花束の贈呈が行われた。
 表彰に移り、▽医学教育功労者▽保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞▽日本医師会最高優功賞受賞記念大阪府医師会長賞――受賞者等を表彰したほか、白寿会員・米寿会員や在任10年以上の役員・代議員・府医各種委員会委員などに高井会長から感謝状が贈呈された。
 最後に被表彰者を代表し、樂木宏実氏が登壇。府医発展のために今後も尽力していくと謝辞を述べた。

表彰者・団体の紹介
○医学教育功労者
樂木宏実氏(独立行政法人労働者健康安全機構大阪労災病院長)

 昭和59年3月に大阪大学医学部を卒業。平成元年9月から3年12月まで、米国Harvard大学Brigham and Women's病院、Stanford大学心臓血管内科で研究に従事。その後、大阪大学医学部助手、講師、助教授を経て19年11月に同内科学講座老年・腎臓内科学教授(27年10月の講座再編で老年・総合内科学教授)に就任。26年から令和元年度まで医学部附属病院副病院長を務め5年4月より現職。
 高血圧の成因ならびに治療標的としてのレニン-アンジオテンシン系について老化機序解明を含む多彩な研究を展開し、その功績により日本心血管内分泌代謝学会・第22回高峰譲吉賞を受賞。高血圧治療ガイドラインに寄与するエビデンス構築にも多大な功績を果たし、その一つである高齢者高血圧の降圧目標に関する臨床研究は米国心臓協会Hypertension誌の年間最高論文賞を受賞。
 学外においては、医学振興銀杏会理事・副理事長、吹田市医師会理事、堺市医師会理事、大阪府医師会医学会運営委員などを務め公共の益に尽力した。
 学会活動では、日本老年医学会、日本高血圧学会、日本高血圧協会の理事長を歴任し、多くの学術集会の会長も務めた。多くの診療ガイドライン策定や「フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言」などの社会への提言においても中心的役割を果たした。

○保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞
此花区医師会訪問看護ステーション(代表者:板東博志氏)

 此花区医師会は、「住み慣れた自宅や地域で、安全で安心して暮らせるように」をモットーに、「此花区医師会訪問看護ステーション」を平成6年6月に開設。12年4月には、居宅介護支援事業所(ケアプランセンター)を併設し、活発な活動を展開している。
 訪問看護師と作業療法士の2職種体制が特色で、ケアプランセンターには、看護師資格を持った主任ケアマネジャーが常駐し、会員医療機関のほか、多職種と連携して業務を行っている。加えて、此花区訪問看護ステーション連絡会において中心的役割を果たすなど、地域における訪問看護事業の発展と多職種連携の推進に寄与している。

○日本医師会最高優功賞受賞記念大阪府医師会長賞
門真市訪問看護ステーション連絡会(会長:西條美紀氏)

 門真市内に訪問看護ステーションが増加してきたことにより、その事業所間の連携強化や役割のPR、介護サービス事業者との協力体制の構築、訪問看護師の医療技術向上のための勉強会の開催を趣意とし、平成22年4月に開設。
 介護保険サービスの提供だけでなく、介護が必要になる前の元気な状態を維持する取り組みを充実させることを目的に介護保険事務を共同処理する「くすのき広域連合」(守口市、門真市、四條畷市)と協力することで、介護保険事業の取り組みとの調和・連携に大きく寄与した。
 門真市医師会とは重症患者チャート等の共通書式の作成や同市域在宅医療推進協議会へ参画することで連携を密にしているほか、地域医療の多職種連携にも大きく貢献している。