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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2023年9月27日 第3049号
令和5年度第1回「新生児の蘇生講習会」が8月19日午後、大阪府医師会館で開かれた。府医では、基本的な新生児蘇生法の習得を目的とした「Bコース」と蘇生技術の質の維持・スキルアップのための「Sコース」を毎年計4回実施。この日はBコースが行われ、医師・看護師・助産師など約15人が参加した。
開会にあたり笠原幹司理事があいさつ。分娩の現場で日常的に起こり得る問題に対応できるよう、受講者には「より高いスキルで新生児蘇生法を習得してほしい」と語った。さらに、技術の維持・向上に向けてSコースでの反復学習を促した。
続いて、大橋敦氏(関西医科大学看護学部教授)が講義を実施。大橋氏は、「人工呼吸さえ確実にできれば、新生児仮死の90%は救命できる」と述べ、『新生児蘇生法アルゴリズム2020』に沿って蘇生の手順を解説した。まず初期処置として、①保温②体位保持③気道開通④皮膚乾燥と刺激――を行った上で、呼吸・心拍の状態から人工呼吸の適応を判断すると説明。人工呼吸は「新生児蘇生の最も重要な手技」と強調し、具体的なポイントなどを伝えた。
その後、受講者は5グループに分かれて、実技講習に臨んだ。インストラクターによる指導の下、蘇生訓練用の人形を用いて、初期処置から人工呼吸までの手順や手技などを確認した。なお、講習前後にそれぞれテストが行われ、受講者には修了証が手渡された。