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医師・医療関係者のみなさまへ

8月度郡市区等医師会長協議会

府医ニュース

2023年9月20日 第3048号

 8月度郡市区等医師会長協議会(令和5年度第5回)が8月25日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は高井康之会長あいさつ(要旨)。

 政府は来年度の概算要求基準で社会保障費の自然増として5200億円を見込んでいるが、一昨年は6600億円を想定していた。自然増見込み額の縮減により、年末の予算決定の段階でさらに圧縮するということが常態化している。団塊の世代が後期高齢者入りしている実態を踏まえると、必要な予算枠が確保されるか心配なところだ。医療界では物価高騰・賃金上昇への財源を求めているが、明確な方針は示されていない。年末の予算編成過程で決着する見通しである。
 日本医師会は新型コロナウイルス感染症対策の継続を求めているが、府医でも大阪府・大阪市へ来年度の予算編成に合わせて要望書を手交した。新型コロナ対策も含め府民の健康施策の拡充などを要望している。新型コロナが5類となり3カ月余りが経過した。減少傾向との報告もあるが、府医独自のサーベイランスでは感染者数の高止まりが示されている。病床の逼迫も懸念されており、油断はできない。
 マイナンバーカードの保険証利用であるが、医療機関に大きな混乱を来している。岸田文雄首相は、保険証に代わる資格確認書の運用を柔軟にするとの方針を公表した。一方で保険証の廃止は予定通りとのことだ。日医は医療のデジタル化に対して安定した運用を要望している。
 医療制度改革に関しては、来年度から始まる第4期医療費適正化計画が示されている。抗菌薬の適正使用、リフィル処方箋の推進などが明記されており、注視していきたい。診療報酬改定は通常4月に実施されていたが、デジタル改定の名目で2カ月後ろ倒しになることが中医協で承認された。薬価改定の時期とずれるということで、医療機関の負担が不透明なところもある。
 先日、関西医師会連合(近畿2府4県、東海4県、北陸3県医師会で構成)常任委員会で次期診療報酬改定について議論した。各会長ともプラス改定を勝ち取るべきということで一致した。それに向けて、松本吉郎・日医執行部を支援することを確認した。松本・日医会長も同席しており、年内はトリプル改定に向けて全力で取り組むとの意向だ。松本・日医会長の発言力を高めるためには、医師会として政権を担う与党をサポートする姿勢を示すことが大切になる。自由民主党内には不祥事もあり、果たして、これで正しい医療政策ができるのか、不信感を持つ会員も多いと思われるが、そうであればこそ、医師会がしっかりと意見もし、政府には聴く耳を持ってもらい、医師会の考えを政策に反映させないといけないのではないか。組織強化も含めて状況は厳しいが、最大限協力していきたいので、引き続き力添え願いたい。