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府医ニュース
2023年9月5日 第3047号
大阪府医師会および大阪府地域医療推進協議会では、例年、大阪府および大阪市の次年度予算編成に際し、医療提供体制の充実のための予算確保を要望している。
8月2日午後、高井康之会長、中尾正俊・加納康至・阪本栄副会長、栗山隆信理事が大阪府庁を訪問。冒頭に高井会長より令和6年度予算の編成に対する要望書を吉村洋文・大阪府知事(渡邉繁樹副知事が代理)に手交した。
高井会長はあいさつで、政府が打ち出している異次元の少子化対策に言及。少子化対策の重要性には理解を示しつつも、財源が明らかになっていない点を危惧し、「少子化対策のために社会保障費が削られ医療を必要とする人がないがしろになってはならない」と強調した。その上で、府民の健康を守るためとして6年度予算編成に向けて配慮を求めた。
続いて、中尾副会長が32項目にわたる要望書の概要を説明。▽大阪府医療計画の推進▽高齢者対策・介護保険の運営▽災害時における医療救護体制の整備▽感染症対策に対する危機管理――などを詳述した。
渡邉副知事は、新型コロナウイルス感染症への対応では診療および検査体制の確保、医療療養体制の整備・充実への協力に謝意を示した。また、要望内容は府民の生活や健康に重要として、さらなる推進に向けて尽力したいとまとめた。
8月23日午後には、高井会長、中尾・加納・阪本副会長、栗山・澤井貞子理事、河村禎人・大阪市医師会連合会長(港区医師会長)が大阪市役所に赴き、横山英幸・大阪市長(山本剛史副市長が代理)に要望書を手交した。高井会長はあいさつで新型コロナウイルス感染症の感染者数が高止まりしていると述べ、引き続き適切な対応を求めた。あわせて、大阪市が子ども対策を重点項目としている点に言及。その結果として、高齢者など医療を必要とする市民への必要な施策が圧迫・制限されないよう、総合的に体制を講じてほしいと訴えた。
次に、中尾副会長・河村市医連会長が要望書の重点事項を説明。項目は市民の健康を守る専門団体として、24項目に及んだ。特に、新型コロナ対策を中心に、2025年開催の大阪・関西万博、認知症基本法、少子化対策などの政策を要請した。さらに、コロナ禍において浮き彫りになった保健事業や公衆衛生事業の後退を指摘。新型コロナ流行時の保健所の対応の遅れを引き合いに、各区保健所の復活を強く要望した。
山本副市長は、「ウェルビーイングを実感できる市民サービスのためには医師会との密な連携が必要」と述べ、厳しい状況下ではあるが、国の交付金をうまく活用できるよう協議を進めたいと前向きな姿勢を見せた。
両日とも、府医からの予算要望の終了後には、大阪府地域医療推進協議会(協議会長=高井・府医会長)による懇談を実施。加盟団体の代表らが次年度予算編成への要望を伝えた。