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医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だよりNo.106

府医ニュース

2023年9月5日 第3047号

かかりつけ医に対するイメージについて その1
会員の意見調査から
文 竹中 俊彦(堺市)

 令和5年3月に実施した会員意見調査からかかりつけ医に対するイメージのアンケート結果のうち、「一致する」と「やや一致する」の合計を項目ごとに比較した。
 「必要な時には専門医、専門医療機関を紹介できる」を選んだ会員は92.8%であり、かかりつけ医の役割として専門医への紹介が改めて重要であると認識された。「何でも相談できる」と答えたのは79.2%であった。同様の傾向は「長年通院している」の項目でも見られ、80.8%であった。また「ワクチン接種に対する対応」では67.0%、「健康相談や保健指導を行っている」の項目については69.2%であり、これらはかかりつけ医としての役割と考えられた。「介護認定審査会や主治医意見書」に関する質問では68.0%であり、かかりつけ医の多くが介護認定審査会に参加していることを反映しているものと考えられた。
 医療の進歩に伴い習得すべき医療情報は圧倒的に増加しているものの、本来はもう少し選択者が多いことを予想していた「最新の医療情報を熟知している」の項目では52.5%と会員の約半数しか選んでいなかった。「学校医をしている」については意外にも27.7%に過ぎず大変低かった。また「専門医の資格を持っている」「産業医をしている」の結果も低く、これらはかかりつけ医のイメージとはあまり一致していないと考えられた。さらに「可能な範囲内で時間外、休日、夜間に対応してくれる」を選んだ会員は34.4%に過ぎず昭和時代のかかりつけ医のイメージとはかなり異なっていると考えられた。一方で、政府が最近決定したかかりつけ医機能の中に、「診療時間以外に診療を行う」が入っており、今後の動向が大変気になる。次回、府民のイメージを報告する。