TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

新型コロナ外来対応医療機関のさらなる拡充に向けて

府医ニュース

2023年8月30日 第3046号

 新型コロナウイルス感染症の5類移行(5月8日)から3カ月が経過した。これまでの大阪府医師会員や医師会の対応を振り返るとともに、今後の見通し等について宮川松剛・府医理事が解説する。

府民が従前どおり受診できる体制を構築

 新型コロナウイルス感染症の患者確認から3年以上が経過しました。現在に至るまで日常診療と並行し、発熱患者への診察や検査対応、ワクチン接種等にご尽力いただいている会員に改めて感謝申し上げます。すでに指摘されているとおり、新型コロナの5類移行は法律上の位置付けが変更されただけであり、ウイルス自体の特性が大きく変わったわけではありません。会員の協力で独自に実施している「新型コロナウイルス陽性者情報」の速報値を見る限りでも、感染者数は増加傾向が続いています。各医療機関においては、引き続き感染対策を講じながら日々の診療にあたる必要があり、行政に対し必要な支援を求めていく所存です。
 この度、府医では「外来対応医療機関(旧名称:診療・検査医療機関)拡充に向けた指定勧奨業務」を大阪府より受託しました。外来対応医療機関は、症状のある府民が従前どおり医療機関にアクセスできる体制を構築するため、大阪府が指定するものです。
 現在の外来対応医療機関指定数は3900施設を超えているものの、府としては4500施設(※)の指定を目指しています。
 昨年夏の府医会員アンケートでは、診療・検査医療機関の指定有無にかかわらず、各診療所が地域の発熱患者(初診患者)に対応していること、また、内科系診療所の約7割が新型コロナ対応を行っていることが明らかです。各診療所の対応状況は前述のアンケート結果に加え、公費請求データからも裏付けることができます。例えば、第7波の令和4年8月では、府内における陽性患者54万6596人に対して、診療所でのPCR等検査は重複を合わせて70万1299件、公費による外来・電話等診療は34万101件で、初診を合わせて考えると相当数の患者に対応できていたと推察されます。
 診療所の構造や来院患者の特性から、参画が難しい医療機関も多いと思われますが、可能な限り指定取得の検討をお願い申し上げます。
〈参考〉外来対応医療機関への手上げ(申請)については、大阪府行政オンラインシステムからの手続きとなる。不明点等は、大阪府コールセンター(電話06―7178―3567/土曜日、日曜日、祝日含む午前8時から午後9時)まで。
※国の方針では、シーズン中に1回でもインフルエンザ検査を実施した医療機関数を基に、5年2月8日時点における診療・検査医療機関数の1.5倍程度の幅広い医療機関での対応を目指すこととされている。