
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
勤務医の窓
府医ニュース
2023年8月30日 第3046号
今年で私は49歳を迎えました。大阪府医師会勤務医部会より歴史の浅い私が総合司会を任せていただいたことは感慨深いものがありました。昨年、星賀正明・前府医理事より本部会を引き継がせていただきました。右も左も分からぬまま内容構成や進行など、これまで本部会を支えてこられた諸先輩方、本部会メンバー、事務局の方々に多大な支援をいただいております。この場をお借りして深く感謝申し上げます。
さて、現地とウェブの両方を用いた開催はもはや新しくありませんが、50年の歴史上では初めての開催方式となりました。ウェブでは約100人、会場にも多くの先生に参加いただき、記念式典、そして記念講演とシンポジウムはお陰様で非常に盛会であったと自負しております。
本部会のテーマは「温故知新」。記念式典では高井康之・府医会長のあいさつの後、初代部会長であった橋本博先生より今までの歴史と取り組みをお話しいただきました。本部会が時間をかけて先導的役割を担ってきたことに感慨深いといった想いを馳せられていたのが印象深かったです。澤芳樹部会長からは本部会の成り立ちから現在までを紹介いただきました。各先生ともに、それぞれの視座でこの50年を振り返り、私達に伝えていただいたことは大きな宝となりました。感謝状贈呈では、これまで本部会発足から尽力いただいた歴代の先生方に、高井・府医会長より感謝の辞が述べられ、表彰いただきました。
記念講演では、松本吉郎・日本医師会長より「勤務医に対する日本医師会の取り組み」について講演いただきました。働き方改革の課題を述べられた上で、医師会や地域医療へ自分自身の可能な範囲でなんとか踏ん張って貢献してほしいというメッセージが心に残りました。
特別講演Ⅱ「AIとデジタルで心温まる医療を!」では、中村祐輔氏(医薬基盤・健康・栄養研究所理事長)より、すでに様々な領域で導入されているAIを働き方改革の課題とその解決への糸口の観点からも解説していただきました。
最後の記念シンポジウムでは「関西から発信する近未来医療」をテーマとし、谷口達典氏(株式会社リモハブ代表取締役/大阪大学国際医工情報センター)、森本優一氏(近畿大学病院小児科・思春期科助教)、髙橋淳氏(京都大学ⅰPS細胞研究所〈CiRA〉所長)をお招きしました。医師会の目指す組織力強化には若手医師の存在も欠かせない中、3人の演者からは、「若いからできない」「既存の考え方では難しい」とされている枠を越えた発表内容でした。日々の診療の中で困っている人を救いたいという気持ちから糸口を見つけ出し、取り組まれ、社会実装まで実現している姿に非常に感銘を受けました。
今後も本部会は日医、府医、郡市区等医師会の多大なる支援をいただきながら、さらに発展していく組織であることを肌で感じることができた記念すべき一日でした。
府医勤務医部会
副部会長(府医理事)
杉本 圭相
――1301