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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府警察医会通常総会・学術講演会

府医ニュース

2023年8月16日 第3045号

細川・日医常任理事が講演

 大阪府警察医会(藤江博会長)は7月8日午後、令和5年度通常総会および学術講演会を大阪府医師協同組合本館で開催した。当日は同医会員23人が出席した。
 冒頭、藤江会長が開会あいさつ。自身が会長に就任して約1年が経過したとして、これまでの活動を振り返った。また、警察医を取り巻く問題に触れ、「今後も大阪府医師会と連携しながら、解決に努めていきたい」と語った。
 総会では、4年度会務・決算報告が行われた。4年度は総会・役員会のほか、学術講演会を2回実施。また、容疑者に対するPCR検査や留置場での診療体制に関して、大阪府警本部との懇談を行ったと説明があった。続いて、5年度事業計画および予算案を協議し、いずれも賛成多数で承認された。
 学術講演会ではまず、宮川松剛理事があいさつ。警察医会や警察関係者の日頃からの活動に謝意を表すとともに、引き続き、府民の安心安全な生活のため体制の整備・充実に努めていくと力を込めた。続いて、河野朗久氏(同医会副会長)が座長を務め、細川秀一・日本医師会常任理事が「我が国の死因究明に関する施策と日本医師会の取り組み――警察医活動を中心に」と題して講演。死因究明はいわば「最期の医療」であり、「避け得る死を防ぐための知見」として社会全体にとって重要な役割を担うと述べた。また、現行の「死因究明等推進計画」の概要を示し、死因究明を担う人材の育成は喫緊の課題だと指摘。日医では「警察活動に協力する医師」の組織化に取り組み、特に死体検案および死亡時画像診断(Ai)に関する研修会においては、関係学会等との「連携の要」に位置付けられていると説明した。加えて、大規模災害時の検視・検案体制についても言及。これまでの災害時対応を例に、遺体の保管や埋葬など様々な課題を示した。最後に、地域での警察医活動の重要性を改めて強調。日医でも「課題の解決に向け地道に取り組みを進める」とし一層の支援を求めた。