
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
将棋部だより
府医ニュース
2023年8月16日 第3045号
7月16日に今年4回目の例会を、大阪市中央区谷町の大阪府社会福祉会館で開催した。明け方から蝉が鳴く、とても暑い日だった。
「ひと夏の経験」が大ヒットした頃、「女の子にとって一番大切なものは何ですか」と問われた山口百恵さんは、「まごころです」と答えた。精神科医の神谷美恵子先生によれば、「人間存在の根底には深淵(しんえん)が横たわっている」そうだが、そのような底知れぬ深淵は、人と人との間にも横たわっているのではないか。百恵さんはまごころを込めて歌うことによって深淵に橋を架け、心と心とをつないだ。我々は懸命に戦うことによって深淵を越える。そして対局相手とともに遊ぶのである。
参加者は11人だった。辻野精一三段(野崎徳洲会病院/大東市)が初参加した。この日の厳しい暑さに打ち勝とうと多くの者が思ったせいか、直線的で強引な攻めが目立った。序盤で無理をしたために、中盤早々に構想が破綻したケースがあった。準会員五段だけは終始自然な手を続けて全勝優勝した。3勝1敗者は3人いて、規定により山中五段(福島区)が2位、濱田五段(東住吉区)が3位になった。他の参加者は、手島七段(和泉市)、伊藤五段(野崎徳洲会病院/大東市)、東森五段(平野区)、佐野五段(豊中市)、青谷三段(高槻市)、柿原三段(堺市)、準会員二段だった。
「冥(くら)きより冥き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端(は)の月」と和泉式部が詠んだのは、デビューした頃の百恵さんよりも若い14歳の時だった。心の底にある深淵を、すでに感じていたのだ。祈るように詠むことによって、自身が進むべき道を彼女は見つけたのだろう。我々は対局によって他者と出会い、つながりを作る。そして朗らかに生きるのである。
入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニックの手島(電話0725―56―2727)までご連絡ください。
報告
手島愛雄(和泉市)