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大阪府訪問看護ステーション協会定時総会

府医ニュース

2023年8月2日 第3044号

すべての看護職員の処遇改善目指す

 大阪府訪問看護ステーション協会(長濱あかし会長)は6月24日午後、ナーシングアート大阪において、令和5年度定時総会を開催。4年度事業・決算報告や役員および定款の変更について審議を行った。

 開会あいさつで長濱会長は、大阪府の訪問看護事業所数は現在1770と全国最多であると説明。一方で、看護の質の維持・向上、適切な事業所運営に向け、管理者研修の受講率および会員事業所の増加、新卒訪問看護師の職場定着などが課題と指摘した。また、6年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定に言及。日本看護協会など3団体で提出した要望事項として、▽訪問看護職員を含むすべての看護職員の処遇改善▽訪問看護提供体制の強化▽退院後の円滑な在宅療養移行支援の体制整備――を挙げ、「一丸となって声を上げていく必要がある」と力を込めた。
 来賓祝辞では、高井康之・大阪府医師会長があいさつ。まず、新型コロナウイルス感染拡大時の在宅における健康観察など、訪問看護師の多大な尽力に感謝を伝えた。また、6月に閣議決定された「骨太の方針2023」に触れ、「異次元の少子化対策」では、財源として社会保障費の歳出改革が検討されるなど、医療界にとっては大変厳しい状況だと述べた。さらに、地域包括ケアシステムの深化・推進に向けた様々な取り組みが進められる中、スムーズな在宅医療・介護連携には、訪問看護師の役割が重要と強調。府医としても同協会の活動を全力でサポートしていくと語った。続いて、弘川摩子氏(大阪府看護協会長)、谷口吉宏氏(大阪府健康医療部保健医療室長)が登壇し、同協会の一層の発展に期待を寄せた。

役員・定款の変更など承認

 議事では、4年度事業報告・決算報告、役員・定款の変更が上程され協議。大阪府訪問看護推進事業のほか、自宅療養者等に対する健康観察および療養支援業務などについて説明があり、いずれも挙手多数で承認された。加えて、5年度事業計画・収支予算が報告された。その後、新役員紹介に続き、長濱会長から退任役員へ花束が贈呈され、会場からは大きな拍手が送られた。
 閉会に際して中尾正俊副会長(府医副会長)は、「今後も訪問看護師の処遇改善に向けて尽力していく」と強調。一層の支援・協力を呼びかけた。