拡大鏡

　◆先日の通常国会では多くの法案が可決成立したが、大きく話題にされたのは、マイナンバー関連法案であろう。令和６年秋までに現在の保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化する法案である。その直後から、マイナ保険証に関連する問題が数多く発生し続けている。その原因の多くはヒューマンエラーによるものだという。
　◆デジタル化によって、多くの情報が共有化され、生活が便利になり、社会が円滑に動いていくことが期待されていたが、思惑とは裏腹に今は混乱ばかりが目立っている。
　◆そもそも、このような大きな改変には、多くの時間と準備が必要である。通常、行政において新しい業務を行う時は、十分な準備期間をかけて慎重に行われているはずであるが、このことを無視してあまりにも拙速に強行しようとしたことが問題であろう。
　◆今のところ、政府は紙の保険証の廃止を、来年に行う構えを変えていないが、これが国民に理解されるとは到底思えない。現状を見据えて、実態に即した対応が強く求められる。（浩）