TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

生野区認知症・在宅医療シンポジウム

府医ニュース

2023年5月3日 第3035号

コロナ禍での取り組みを報告

 生野区の三師会や居宅介護支援事業者連絡会など10団体で組織する生野区認知症高齢者支援ネットワーク会議・在宅支援ネットワーク会議は3月11日午後、「認知症・在宅医療シンポジウム」を同区民センターで開催。「みんなで取り組み・支え合う」をテーマに実施し、区民・関係者ら約270人が参加した。
 冒頭、主催者を代表し、谷本吉造・生野区医師会長があいさつ。日頃からの同支援ネットワーク会議運営への理解・協力に謝意を表した。医療・介護の需要が増加し病床が不足する中で、在宅医療体制の確保・充実が求められていると説示。いつまでも住み慣れた地域で自分らしい生活を送るために、本日のシンポジウムを通して、認知症や在宅医療の知識を深めてほしいと述べた。
 第1部のシンポジウムでは、「コロナ禍での生野区の取り組み報告」を掲げ、同区三師会や居宅介護支援事業者連絡会、訪問介護事業者連絡会、訪問看護事業所連絡会の担当者がそれぞれの活動を紹介。医師会からは小林正宜理事が、「生野区医師会の取り組みと医師会が目指すウィズコロナ社会」と題して講演した。小林理事は、新型コロナウイルス感染症に関わる機関・事業所が一堂に会して情報共有・交換を行う場がないなどの問題から、医師会主導により新型コロナ対策の相談連携ネットワーク「イクコロ隊(生野区コロナ対策部隊)」を発足したと振り返った。そして、「感染した時に相談できるかかりつけ医がいる」「感染による孤立を一人でも減らす」など、誰もが安心して暮らせるウィズコロナ社会を目指したいと語った。
 第2部では、山口千里氏(大阪府歯科衛生士会長)が「マスク社会の今だからこそ! お口のケア」と題して登壇。まず、口とアルツハイマー型認知症の関連因子に触れ、脳への刺激の低下や歯周病等の炎症がリスクを高めると指摘し、咀嚼や口腔ケアの重要性を示した。そのほか、いつまでも楽しくおいしく食事をするために、▽あいうべ体操▽舌トレーニング▽唾液腺マッサージ▽パタカラ体操――など口の周りの筋肉を鍛える運動を紹介し、参加者と一緒に実践した。最後に、口の健康は全身の健康につながるとし、今日からできることを行ってほしいと呼びかけた。