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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2023年4月5日 第3032号
大阪府医師会は大阪府在宅医療総合支援事業を受託し、その一環として令和4年度「在宅医療・介護連携推進に係る多職種研修会」を2月18日午後、府医会館で開催。ウェブとの併用により、会員および在宅医療に関わる多職種ら約200人が受講した。
冒頭、前川たかし理事があいさつ。現在、厚生労働省の医療介護総合確保促進会議において、6年度からの次期医療計画、介護保険事業計画の策定に向けた論点の一つに、「地域完結型」の医療・介護提供体制の構築が挙がっていると明言。その構築のためには、地域の多職種が患者の診療・介護情報をリアルタイムに共有し、連携したケアを行うことが求められているとし、本研修会がその一助になればと期待を込めた。
続いて、田島幸兒氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員)が座長を務め、砂川桂子氏(大阪市西区医師会在宅医療・介護連携相談支援室コーディネーター)が西区における在宅医療・介護連携事業を紹介。同区では、ここ3年で在宅医療に取り組む若い医師が増加し、拠点病院が複数あることから、病院の特徴や強みを生かしたネットワークが構築できる環境にあると説示。クオリティーの高い在宅医療の提供が可能であるとした。その取り組みとして、区内の全病院から多職種のコーディネーターを選出。区医師会「在宅医療・介護連携相談支援室」へ交代で勤務・運営することで、全体のレベルアップと関係強化につながっていると力を込めた。
そのほか、▽ホームページや広報紙「ハーモニー」等での周知・啓発▽区役所保健福祉課との協働▽地域包括支援センターとの情報交換――などの活動を通じて、今後もより深く、広いネットワークづくりを続けたいと結んだ。
次いで登壇した神山欣子氏(枚方市医師会在宅医療連携・在宅支援コーディネーター)は、枚方市の在宅医療・介護連携推進事業を詳述。同事業は、平成30年から枚方市医師会が受託し、市と協働で実施、事業推進のため多職種のメンバーが月1回会議に参画している。
具体的には、①多職種連携・ネットワーク構築②医療・介護資源の把握・情報共有③課題抽出と対応策の検討・提供体制の構築④在宅医療・介護連携に関する相談支援⑤医療・介護関係者の研修⑥住民への普及・啓発――の事業を展開。特に、認知症対策では、認知症サポート医を中心として、医療・サービスが円滑に受けられる体制づくりを目指していると述べた。また、ACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)の普及・啓発活動にも力を入れ、令和4年4月に「エンディングノート」「人生会議まるわかりガイド(再版)」を発行。市民向けの講演会等で活用しているほか、関係機関と協働で支援に向けた提供体制の構築を図っているとした。