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小児救急医療研修会

府医ニュース

2023年3月1日 第3029号

急病診療所での痙攣対応など解説

 大阪府医師会主催、大阪小児科医会後援による令和4年度第3回小児救急医療研修会が4年12月15日午後、府医会館とウェブの併用により開催され、86人が参加した。

 本研修会は、休日・夜間急病診療所の小児科診療体制向上を目的に3回シリーズで実施。最終となる今回は「小児の主な感染症・発熱、ケイレンへの対応」をテーマとした。
 はじめに、新田雅彦氏(府医救急・災害医療部委員会委員/大阪小児科医会理事)が座長を務め、温井(ぬくい)めぐみ氏(大阪市立総合医療センター小児脳神経内科医長)が講演。小児救急医療は、「軽症が多い」「病勢の進行が早く、緊急度・重症度の予知が困難」などの特徴を挙げた。また、常に重症化の危険因子が隠れている可能性を考え、病状を進行させないことや保護者に急変の可能性・再診の判断基準を説明し、重症化を予防することが大切との見方を示した。
 次いで、急病診療所で鑑別すべき感染症について言及。感染症発生動向調査情報をチェックし、流行している感染症を把握しておくことが重要と述べた。そのほか、▽感染性胃腸炎▽インフルエンザ▽手足口病▽ヘルパンギーナ▽突発性発疹――などを中心に、症状や治療法、登園・登校の目安などを詳説。さらに、新型コロナウイルス感染症に係る、「年代別ワクチン接種率」「軽症から中等症の治療フローチャート」のほか、「小児COVID―19関連多系統炎症性症候群診断のアルゴリズム」などを解説した。
 30分以上続く痙攣は後遺症が残る可能性があるため、早く止めることが重要だと強調した。一方で、ダイアップ坐薬は痙攣を止める薬ではないと注意を喚起。単純型熱性痙攣で全身状態が良好な例以外は、「すべて後送すべき」などと具体的な対応を示した。