
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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医師・医療関係者のみなさまへ
新年のごあいさつ
府医ニュース
2023年1月4日 第3023号
明けましておめでとうございます。会員の皆様におかれましては、健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。私は6期12年、広報、病院を主担当に理事を務めさせていただいた後、昨年9月1日付で副会長を拝命いたしました。12年間、大阪府医ニュースの「時の話題」を担当させていただいたことで、医療、医師会が抱える時の諸問題を幅広く勉強する良い機会に恵まれました。副会長としてこの経験を生かしていきたいと思います。
さて、今年は医療界にとって多くの重要課題があります。刻々と変わる新型コロナウイルス感染症への対応は言うまでもありませんが、令和6年度は、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の「トリプル改定」の年度であり、「第8次医療計画」「医師の働き方改革」がスタートします。これらの前年である今年は詰めの作業が行われます。いずれも長引くコロナ禍の影響を受けるはずですが、予定通り粛々と進められようとしています。
コロナ禍では、他のOECD加盟国に比較して日本の病床数は豊富であるのに、なぜ、病床が逼迫するのかと、たびたび報道されました。その大きな要因であるはずの医師、看護師など医療従事者の数の問題については、あまり言及されなかったことは残念です。
オミクロン株による第7波では、感染者数が急激に増加したものの、幸い重症者は少ないとされました。しかし、その感染力の強さから医療従事者が感染者、濃厚接触者となり、自宅療養等を余儀なくされたために、現場が人手不足になることも多くありました。
日本の医療制度は平時においては、国民皆保険制度を基盤とした素晴らしいものです。しかし、余裕のない人員、高い病床稼働率により経営が成り立っていることも事実です。今後、生産年齢人口の減少、医師の働き方改革の実行などから、人材難はますます深刻化すると考えられます。大阪のような大都市でも地域・科目によっては、決して医師などの医療従事者が充足しているわけではありません。現場の実情を中央に届けるように努めていきたいと思います。本年もご支援、ご指導のほどよろしくお願いいたします。