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医師・医療関係者のみなさまへ

郡市区等医師会新会長に聞く

府医ニュース

2022年8月3日 第3008号

 令和4年度に就任された郡市区等医師会新会長より、あいさつ・抱負等を寄稿していただきましたので、紹介いたします(順不同)。

北区医師会  本出 肇 会長

 令和4年定例社員総会において、田淵義勝前会長が退任され、私本出肇が引き継ぐこととなりました。責任のある立場となり身の引き締まる思いでございます。さて2年に我が国で初めての新型コロナ患者が確認されて以来、病院での入院治療、区役所と連携したコロナワクチン集団接種、発熱患者対応や自宅療養者の治療などにご協力いただき第4波・第5波を乗り越えることができました。ところが4年再び第6波から軽症中等症病床が満床となり、一般診療もままならない状態から救急搬送困難事例も出現しました。ポストコロナには感染症パンデミック時の公衆衛生行政の再編成、診療所と病院間の役割分担を進めていかねばなりません。北区医師会では感染症対策委員会を定期的に開催し、それに応じた体制を構築する必要があります。
 またコロナ感染症流行下ではウェブ会議などを行わざるを得ない状況となりました。今後も会議、通達、報告、資料等の電子化は避けられないものと存じます。さらなるIT化を進めていく所存です。さらに新規入会者の中には、今までにない多彩な開業形態が増加しており、今後医師会員区分などの見直しなども考えていかねばならない状況です。
 北区医師会の70年の歴史を背景に諸先輩方が築かれた事業を継続しながら、現在の新しい北区の問題点に対して地域医師会の役割を果たすべく、執行部をはじめ会員の皆様のご支援の下、任務を遂行する覚悟です。ご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

中央区東医師会  村野 実之 会長

 本年6月9日の社員総会で会長に就任いたしました村野実之です。当医師会は昭和22年に設立し、現在会員数346人でございます。当地区には大阪医療センター、大手前病院、大阪国際がんセンターという基幹病院があり、コロナ禍におきましても緊密な病診連携、また学術交流を深めさせていただいております。
 当医師会の地は淀屋橋や本町という大阪トップクラスの商業地を有する地域で、昼間人口は50万人、生産年齢人口の割合は74.5%と市内で最も高いという特殊な地域でありました。しかし近年のタワーマンションラッシュにより夜間人口が10年前の1.4倍、20年前の2倍の増加を認めており、従来の医業形態では対応し難い問題に遭遇することも予測されます。
 また、収束の兆しが見えない新型コロナウイルスや新規感染症、地域医療構想などたくさんの課題が山積しておりますが、地域住民の医療、健康保持増進に貢献していくため大阪府医師会、郡市区医師会、行政と緊密な連携を図りながら、会員間の協力体制、近隣の基幹病院との連携強化などにも取り組んでまいりたいと思っております。
 前会長より約20歳下で知識も経験も未熟でございます。新執行部とともに力を合わせ、精一杯会務に取り組んでまいります。ご指導ご鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。

東住吉区医師会  森 能史 会長

 本年6月11日に開催されました定例社員総会後、藤村浩人前会長の後を引き継ぎ会長に就任いたしました。
 当区は90%が閑静な住宅地で人口約13万人、65歳以上が総人口の4人に1人かつ独居高齢者が総人口の約1割を占めるという特性をもつ地域です。この地域性より当区医師会ではこれまで高齢者在宅医療、認知症事業など多職種連携に積極的に取り組んでまいりました。自身も平成18年に理事に加えていただいてから歴代の会長先生に救急医療、地域医療連携、会員連携の重要さを勉強させていただいたことが自分の大きな財産となっております。
 コロナ後の新しい形の医師会活動を模索しておりますが、基本となるのは人と人との信頼関係であることに変わりはありません。次世代を担う若手に今まで培われてきた人のつながりを継承し、かつ新たな医師会を目指したいと考えております。何卒ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

泉大津市医師会  武本 優次 会長

 大阪府医師会理事の職を辞して、4年が経過しました。在任期間中にお世話になった先生方にはこの場をお借りして、お礼申し上げます。ところで、コロナ禍により世の中、医療界の環境も一変いたしました。SDGsと聞き慣れない言葉が国連を中心に発出され、誰も取り残さない世の中の実現を目指しています。医療界は、負担ばかりが増し、リフィル処方箋などという聞き慣れない仕組みが診療報酬に導入され、他市の会員と同様に、泉大津市医師会の会員にも動揺が走りました。
 泉大津市の産業構造の転換(毛布日本一も衰退傾向)が必要な中で、医療界としても、SDGsを達成するために、何かやることはないのかという思いで、今回、泉大津市医師会の会長に就任させていただきました。才少なく、課題山積の中で、会員のために、精一杯頑張っていく所存であります。皆様の温かいご支援ご指導をお願い申し上げて、就任のごあいさつとさせていただきます。

門真市医師会  西川 覚 会長

 本年5月28日、外山学前会長の後を引き継ぎました。私の就任後もCOVID―19関連の案件が多い状態が続いています。この時期の役員の先生方には多大な敬意と感謝の念がございます。
 当会は会員171人、副会長6人、名誉会長6人、理事25人、理事者の比率が高く、自由闊達に発言する組織立てです。また、クラブ数9、延べ参加者161人と楽しい医師会です。
 病診連携については、医師会所属の病院をはじめ、関西医科大学、近隣の多くの優れた病院と協力関係を引き継ぎ、行政側の門真市、守口保健所を加え、少しでも地域のお役に立てる病診連携の会が作れないか模索中です。
 直近には、コロナ感染症の減少に伴って再開が予想される活動について、会務の省力化、財政見直しを始めております。その他、医療の置かれている環境からは、観光立国と感染症、少子高齢化多死に伴うACPや看取り・フレイル、災害対応、Dx(デジタルトランスフォーメーション)、SDGsなどが任期中の要対応案件かと考えております。
 未熟な若輩者ですが、よろしくご指導の程、お願いいたします。

住之江区医師会  宮武 利行 会長

 この度、芳野裕明前会長の後を引き継ぎ会長に就任いたしました宮武利行です。私は平成18年に当医師会理事に就任して以来、諸先輩方にご指導いただき、副会長を7年務めた後に会長を引き継ぎました。
 大阪市立住吉市民病院が閉院となり、外来診療のみの住之江診療所となったため、住之江区には小児科産婦人科の入院病床がなくなってしまいました。若い世代が安心して暮らせるようにならないと少子高齢化がさらに進んでしまうことが危惧されますので、小児科産婦人科を充実させなければなりません。跡地に建つ病院は、認知症の研究施設を備えた病院になる予定で、認知症の方がより安心して暮らせるようにしていきたいと思います。
 住之江区内の病院にはそれぞれ特徴があり、各病院間の連携や病診連携、医療介護の連携などで、すべての区民が住之江区で安心して医療を受けられるように体制を整えます。行政とも協力して新型コロナウイルス感染症や豪雨・台風・地震などの自然災害にも対応できるように取り組んでまいりますので、皆様のご指導とご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

布施医師会  平松 久典 会長

 この度、松山浩吉前会長の後任として布施医師会長を拝命いたしました。
 今期、布施医師会の運営テーマとして「会員の連携を一層強め、頑丈な医師会基盤を作り後世に伝える」と掲げ、新たに「U―45」と「診診連携」の2部門を開設しました。
 「U―45」は、45歳以下の会員を対象に親睦を深め、将来を支えていただく若い世代に、日常の問題解決の場を提供するとともに、医師会に対し気軽に意見や提言を話し合える場を作りたいと開設いたしました。そしてその積み重ねが、将来のより良い医師会へつながればと願っております。
 次に「診診連携」は、時代とともに希薄になりつつある会員の親睦、連携の充実に改めて力を注ぎたいと考えています。診療所間の連携は医師会本来の業務で、当たり前のことではありますが、より密接な医師会になるべくあえて立ち上げました。地域医療の充実、地域包括ケアの構築から医政に至るまで数々の課題を進めるには、しっかりとした会員の連携が必須と考えています。
 よろしくご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。

大阪市役所医師会  細井 雅之 会長

 この度、令和4年4月の代議員会にて西口幸雄先生の後任で会長に選任されました、細井雅之です。本職は大阪市立総合医療センター糖尿病内科部長です。
 大阪市役所医師会は大阪市に勤務する医師(総合医療センター・十三市民病院・弘済院附属病院・心身障がい者リハビリセンター・大阪市保健所・保健福祉センター・こころの健康センターなど)を会員とする団体です。働きやすい環境を整えたり、学術活動を主にしてまいりました。医師の世界においてはこれまで、女性医師支援として院内保育所や産休育休制度の整備が大命題でしたが、現在では介護休暇や支援を受けない立場の職員へのフォローなど、多様な観点が求められるようになり、ダイバーシティの発想に基づく施策が新たなテーマの一つになりつつあります。今後、大阪市役所医師会もダイバーシティを推進し、会員全員が輝ける職場を目指していきたいと考えています。
 今後とも、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

淀川区医師会  小川彦一郎 会長

 6月28日の淀川区医師会定例社員総会にて会長に選任選定いただき就任いたしました小川です。本会の中川浩彰前会長の後任として淀川区医師会のまとめ役を果たすことは不安が多いのですが、受ける以上は精一杯努力して職務を果たしていきたいと考えております。
 さて、収まりかかったコロナ禍も昨今の感染者数の増加とともに第7波に至る状況であります。コロナ禍で学校保健業務や地域包括支援業務も変容しつつありますが、変容に応じて対応しながら業務を強化・推進し、地域の医療・介護に貢献したく存じます。また、引き続き懸案となっています淀川区医師会看護専門学校の閉校、災害医療マニュアル策定などの案件についても粛々と実行してまいります。もちろん業務の遂行は役員理事諸氏の大いなる協力をもってなされるものでございます。ご協力のお願いをもって、ごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。

松原市医師会  木下 裕介 会長

 この度、故・上野憲司前会長の後を引き継ぎ会長に就任した木下裕介です。よろしくお願い申し上げます。
 新型コロナ感染症が日本に上陸して以来、日常の仕事がコロナ対策一色に変わり、その影響は現在も続いており収束しているとは言えない状況です。今までの新型コロナ対策を継続していく一方で、通常どおりできていなかった医師会活動を、少しずつ元通りに戻していくことが、最初の仕事だと考えております。地域包括ケアシステムについても地域ケア会議や地域医療介護連推進委員会を開催しており、地域包括支援センター・ケアマネジャー・ヘルパー・行政など多職種と直接顔を合わせており、より深い信頼関係の構築を目指していきたいと考えています。また、私自身整形外科医であるため、ロコモ・フレイル対策にも力を入れるつもりです。
 地域医療に貢献できる医師会として、大阪府医師会をはじめ近隣の郡市区医師会および行政とも緊密な連携をとり切磋琢磨していきたいと考えています。何卒ご指導・ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

高槻市医師会  保田 浩 会長

 本年6月に木野昌也前会長の後を引き継ぎ、会長に就任いたしました。堺市出身で、昭和57年大阪医科大学を卒業、現在は小児科医院を開業しております。
 当医師会は昭和22年に設立し、現在678人の会員がいます。当地区には約270の会員医療機関があり、また大阪医科薬科大学病院をはじめとして、五つの地域医療支援病院があります。高槻市と島本町の約38万人の地域医療を担っております。この度の新型コロナウイルス感染症では、医師会員一丸となって診療、ワクチン接種に取り組んでおります。
 趣味は山登り(富士山・屋久島縄文杉・北岳・槍・穂高・白山・大山などなど)、マラソン、写真、絵画、ゴルフです。皆様のご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

阿倍野区医師会  潮見 満雄 会長

 残念ながら岡成樹先生が会長を辞されたので、6月より会長職を引き継ぐことになりました。これまでに指導していただいた諸先輩の教えを胸に会長職を遂行したいと思います。
 2年以上にわたり、COVID―19のパンデミックのため十分な医師会活動ができませんでした。予防対策が十分にできるのであれば、滞っている事業を再開したいと思いますが、流行の先が読めない中、今後どのように活動していくべきかが課題となります。
 新たに理事に就任していただくように声をかけさせていただきましたが、引き受けていただける方が少なく、一期だけであればと言われる方もおられました。これは私としてはショックでした。やりがいのある理事会にすることが私の務めの一つと考えています。また、医師会はそれぞれ違った考えを持った専門家の集団なので、多様な個性の者が集まれば、強靭な集団になると思います。

羽曳野市医師会  加藤 治人 会長

 この度、調子和則前会長の後を引き継ぎ、羽曳野市医師会長に就任いたしました加藤治人でございます。羽曳野市は南河内地域に位置しており、人口約11万人の市で、古墳など古代史跡も多く、百舌鳥・古市古墳群として令和元年に大阪で初めて世界文化遺産へ登録されました。またブドウやイチジクの栽培が盛んな市でもあります。医師会の会員数は130人、診療所57施設、病院6施設があります。
 COVID―19感染症が出現し3年目となりますが、羽曳野市では当初から市行政と連携し集団・個別接種ともに進めてまいりました。その甲斐あって高齢者のコロナワクチン接種率は高いものとなりました。今後ウィズコロナ時代へと進んでいく中、地域医療を守り、かかりつけ医としての機能を果たすことが大変重要だと考えております。救急を含めた病診連携の構築、在宅医療の充実、そして近い将来起こるとされる南海トラフ地震や直下型地震などの災害に対し、実践でいかせるマニュアルづくりなど、今後の課題が多く残されております。近隣の地区医師会また大阪府医師会との連携を深めることが重要と考えております。当医師会の会員と協力しながら、医師会の発展に貢献する所存でございます。皆様方のご指導の程よろしくお願い申し上げます。

大淀医師会  田上 大作 会長

 大阪市北区にあります大淀医師会の田上です。前会長で現大阪府女医会長の樋口洋子先生の後を引き継ぎ、令和4年5月14日より会長に就任いたしました。大淀医師会は大阪で一番小さい医師会でありますが、その分会員の結束は強いのが良いところで、入会当初の私は多くの恵まれた先輩の先生方に育てていただきました。
 私が入会当時会長をされていた篠原良洋先生は一見怖そうですが、実は心優しい先生で、医師会入会時の心得として次の3点を教えていただきました。①間違ったことはするな②全員参加で全力投球③自分達だけで凝り固まらず常に開かれた医師会であれ――というものでした。この教訓を今後とも肝に銘じて会長としての任務を果たしていく所存です。
 最近大淀地区もタワーマンションが立ち並び、駅チカやビル診など新しい形態で開業される先生方も増えてまいりました。今後このような先生方とも手を取り合って、医師会活動を活発にしていくのが私の使命だと思っております。

城東区医師会  髙田 淳 会長

 この度、勝田吉重前会長の後を受け、会長に就任いたしました髙田淳です。
 城東区は、近年人口増加が進み、人口密度は大阪市で第2位、医療機関も年々増加しており毎年数件の新規医師会入会を認めています。新規開業の医療機関は、それぞれ特徴ある診療を行っており、地域医療における新たな戦力として心強い限りです。
 新型コロナウイルス感染第4波までの大阪市保健所業務の逼迫と在宅療養患者への早期対応困難を受け、城東区では第5波以降は、直接区保健センターと協働し、早期より区内の在宅療養患者に対応するシステムを、区医師会員および訪問看護ステーションの協力の下に作ってまいりました。新型コロナ感染は刻々と様相を変え、第7波に突入した今、小児や若年層患者の急増、小児科診療の逼迫など新たな様相を呈しております。当医師会では、会員のご協力を得ながら、今後も迅速かつ柔軟に対応していきたいと考えています。
 住民の健康と地域医療を守るよう取り組んでまいりますので、皆様方のご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。