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医師・医療関係者のみなさまへ

府内衛生検査所管理指導医師・細胞診担当者との懇談会

府医ニュース

2022年3月30日 第2995号

HPVワクチンの動向など報告

 大阪府内衛生検査所管理指導医師および細胞診担当者と大阪府医師会細胞診管理委員会委員との懇談会が2月16日夕刻、ウェブで開かれた。本懇談会は昭和53年より継続して実施。今回は府医保健医療センターをはじめ7施設が参加した。
 井上健・府医細胞診管理委員会委員長が司会を務め、前川たかし理事が開会あいさつ。本懇談会は、細胞診業務に関する諸課題への意見を求め、今後の活動に反映することを目的に実施していると述べ、活発な意見交換を促した。
 次に、植田政嗣委員の座長により、棟方哲氏(市立函館病院病理診断科医療部長)が「WHO2020における子宮頸部腺系病変の改訂について」と題して話題提供。WHOによる子宮頸部病変の組織分類は2020年に最新版が出されたとし、WHO2014との分類の違いを中心に解説した。WHO2020では、頸部腺がんがHPV感染に関連するものとしないもので大別されたと説明。子宮頸がんの発生原因を盛り込んだ組織診断・細胞診断が求められていると強調した。
 懇談では、令和2年度分「細胞診業務実態」調査に関して、①総論(井上委員長)②婦人科細胞診(川村直樹委員)③呼吸器細胞診(河原邦光委員)④その他の細胞診(桜井孝規委員)⑤アンケート(藤田茂樹委員)――の集計結果が報告された。
 その後、植田委員および川村委員が座長を務め、「HPVワクチン」「COVID-19」について意見交換。日本におけるHPVワクチンの接種は、積極的勧奨が中止されていたが、3年11月に厚生労働省が勧奨の再開を決定したと述べた。また、コロナ禍による検体件数への影響や感染対策について、各施設での状況が示された。