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医師・医療関係者のみなさまへ

医学生、研修医等をサポートするための会

府医ニュース

2022年3月16日 第2994号

女性医師のキャリア継続 課題と展望示す

 令和3年度「医学生、研修医等をサポートするための会」が1月15日午後、ウェブで開かれた。同会は在阪5大学医師会と大阪府医師会、日本医師会の共催で実施しており、今回は関西医科大学医師会が主務を担当。「女性医師のキャリアを考える」をテーマに、講演とパネルディスカッションを実施し、41人が参加した。
 司会を髙山康夫・関西医科大学医師会長が務め、開会にあたり笠原幹司・府医理事があいさつ。近年は女性医師を中心に、子育てとの両立などへの様々な支援策が推進されているが、男性医師については10年前と比較しても育児休暇取得率が低い現状があるとした。こうした中、昨年6月に改正された育児介護休業法に言及。今年4月から段階的に施行されるとし、育児休暇の取得促進へつながることに期待を懸けた。
 続いて、植村芳子氏(同大学総合医療センター臨床検査医学科部長)が「関西医科大学オール女性医師キャリアセンターの取り組み」として、▽復職支援▽病児保育▽短時間勤務正職員制度――などを説明。すべての女性医師が様々なライフイベントを迎えながら、キャリアを継続していくことができる環境づくりを進めているとした。
 次に、覚道奈津子氏(同大学附属病院形成外科教授)が「女性医師のキャリアを考える――現状の課題と今後の展望」と題して基調講演を行った。覚道氏は自身が専門医を取得するまでの経歴や、留学・結婚・出産・育児の経験を基に、「家族と職場の理解があったから、フルタイムで働き続けられてきた」と説明。専門医取得の意義や、ライフイベントから見るモチベーションの動きなどを詳述した。その上で、女性医師が家庭と仕事を両立するためには「自身の人生に重要なことは何か」の優先順位を明確にすることが重要とアドバイスを送った。
 基調講演に続き、「女性医師が活躍するためのサポート体制」(木下秀文氏/同腎泌尿器外科教授)、「カップルとしてのキャリア形成を考える――夫の立場から」(赤川翔平氏/同小児科講師)、「産休中脳外科ママ医のリアルライフ」(磯﨑春菜氏/同脳神経外科病院助教)――の3題の講演が行われた。また、大江知里氏(同病理診断科講師)および中丸洸氏(同消化器肝臓内科助教)を座長に、パネルディスカッションを展開。活発に意見を交わした後、笠原理事から「日医女性医師バンク」の紹介がなされた。