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府医ニュース
2022年2月23日 第2992号
幼少期の昭和30年代、東京都内、現在の日本医師会館に程近い場所に住んでいました。現在は瀟洒な住宅街に変貌していますが、当時は雑木林と野原の中に未舗装の道路が走り、雨でぬかるみ、水たまりの出来た道路は子ども心には魅力的で、雨があがると大抵は、泥んこになって親に叱られることを繰り返していました。
顔なじみ?の野良犬もいて、道端で遊んでいると、いつの間にかやってきて一緒に過ごしました。気が付くと野良犬は三、四頭おり、ぞろぞろと連なって、遊ぶこともありました。日が暮れる頃、帰宅するのを見送るかのように野良犬達は玄関先までついてきて、「バイバイ、また明日ね」と言うと、踵を返して行きました。都内でも野良犬は珍しくなかった時代です。
そのうち保健所が野良犬を捕獲するようになり、知っている犬が捕獲される様子を目の当たりにした時は恐ろしさにすくんで、その後、長らく無力感に苛まれました。事故や狂犬病の予防のためだと親に教わっても、子どもの理解を超えていました。現在では放し飼いをすることなど考えられませんが、当時は放し飼いもしばしばみられ、飼い犬と野良犬の境界は曖昧だったように思います。
小筆は長じて以降、犬や猫を複数飼いしていますが、猫は完全に室内飼いですし、犬も散歩の時以外、庭から出すことはありません。それでも、子どもの頃の野良犬との遊びを懐かしく思い出すことがあり、動物と人間の関係について考えさせられる記憶です。
(猫)