
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2022年2月16日 第2991号
大阪府医師会は、令和3年度第3回小児在宅医療研修会を同年12月1日午後、ウェブで開催。重症心身障害児(重心児)の地域生活の支援に焦点を当てた7題の講演を実施し、約60人が受講した。
開会あいさつで前川たかし理事は、在宅医療・ケアに携わる医療関係者の活動に謝意を表明。本研修会が小児在宅医療の更なる浸透につながればと期待を寄せた。次いで、位田忍氏(府医小児の医療的ケア検討委員会委員長)が講義の概要に触れ、「地域の枠組みの中で、皆で支える仕組み」を構築するためには、重心児とその家族に関わる医療者の育成が不可欠と説いた。
引き続き、①重心児のライフサイクル②年齢別に使える社会制度③療育センターの役割④学校での自立支援⑤訪問看護師の役割⑥在宅医の役割⑦ライフサイクル別の生活支援――に関する講演が行われた。このうち、「在宅医の役割」で講演した南條浩輝氏(同委員/かがやきクリニック院長)は、「小児の在宅医療は患者のライフステージごとに必要な支援も変わる」と強調。在宅医として、生活に即したアドバイスを行うことや多職種連携の核となることに対するニーズの高まりを感じるとした。
また、各演題を受けた最後の講義として、春本常雄氏(同委員/東大阪生協病院小児科部長)が「ライフサイクル別の生活支援」を解説した。春本氏は、成人期を迎える患者の移行期医療(トランジション)や、介護者の高齢化といった問題を提示。その上で、▽患者が自分自身の力を最大限に発揮し、楽しく成長・自立していく▽患者家族が自分の人生を楽しむ――にはどうすればよいかを念頭に、個別の支援を考えていく必要があるとまとめた。