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医師・医療関係者のみなさまへ

接遇研修会

府医ニュース

2021年3月31日 第2959号

「十人十色」のケアを

 大阪府医師会は厚生福利事業の一環として、接遇マナーに関する意識の向上を目的に、平成3年度より接遇研修会を実施している。3月9日午後には令和2年度の同研修会をオンライン形式で開催し、会員医療機関140施設の看護師・医療従事者が参加した。
 開会にあたり、澤井貞子理事があいさつ。接遇についての知識を深め、医療現場で役立ててほしいと期待を寄せた。
 引き続き、大橋奈美氏(ハートフリーやすらぎ常務理事兼統括管理責任者)が「接遇は、心の表現・生き方そのもの」と題して講演を行った。大橋氏はまず、態度能力の基本を「相手の立場に立つこと」と説明。これは相手への十分な理解がなければできないことだと加え、高齢の患者と接する際の心構えや配慮すべき点を詳述した。次に、独居の認知症高齢者や、腎臓がん末期患者の訪問看護に取り組んだ事例を紹介。望まれるケアの形は「十人十色」であるとし、本人にとって最も良いケアの在り方を模索することが大事だと語った。
 大橋氏はまた、認知症の患者が増加していく中、「認知症の人が感じている世界にどれだけ寄り添えるかが大切」と提起。万人に伝わるのは笑顔だと述べ、マスクの下は笑顔を心掛けてほしいと結んだ。