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医師・医療関係者のみなさまへ

集団接種訓練で課題を検証

府医ニュース

2021年3月17日 第2958号

ワクチンの安全な接種に向けて

 高齢者などを対象に準備が進められている新型コロナウイルスワクチン集団接種の円滑な実施に向け、大阪府は2月28日、大規模な模擬訓練を行った。大阪府医師会からは医師10人が訓練に参加したほか、茂松茂人会長をはじめ役員5人が会場を訪れ、ワクチン接種に係る一連の流れを視察した。

 新型コロナウイルス感染症が確認されてから約1年。異例の速さでワクチンが開発・実用化された。国内においても、2月14日に米ファイザー製ワクチン「コミナティ」が特例承認を受け、同月17日からは医療従事者への先行接種を開始。4月に高齢者への接種を始めるべく、市町村と地域の医師会が一体となって準備が進められている。
 そのような中、大阪府は2月28日、大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で、新型コロナワクチン集団接種に向けた大規模な模擬訓練を行った。当日は、大阪府医師会・大阪府看護協会・大阪府薬剤師会・大阪府病院協会・大阪府私立病院協会が参加。製薬・医療機器メーカーや市町村の担当者らを含め、参加者は500人余りとなった。府医からは医師10人が訓練で予診を担当。また、茂松会長をはじめ役員5人が視察に訪れ、受付から予診、薬剤充填、接種、状態観察までの一連の手順を確認した。
 今回の訓練は、各市町村で行われるワクチン接種を安全かつ確実に、そして円滑に進めるための課題抽出に焦点が当てられ、検証結果は今後のマニュアル等に反映される。会場規模や準備状況が市町村で異なるため、訓練内容が多くの市町村の参考事例となるよう設定。会場候補として多数挙げられている市民・区民センター(600平方㍍)、スポーツセンター(1200平方㍍)にあわせた、大小2つの会場モデルが用意された。また、比較検証のため、それぞれの会場で▽スタッフの配置▽被接種者の動線▽予診前の検温方法▽接種済票の確認プロセス――など、細部のパターンに変更が加えられた。訓練では更に、重度のアナフィラキシーが起きた場合の対応も想定。急変に医師が駆け付け、看護師らとともに応急処置と救急搬送にあたった。
 訓練後の振り返りで参加医師からは、「予診を滞りなく進めるため、予診票を漏れなく記載してもらうことが重要」「接種可否について判断に困るケースがあり、細かな基準が必要」「お薬手帳の持参がスムーズな予診につながる」などの意見が挙げられた。
 閉会時には、吉村洋文・大阪府知事、澤井宏文・大阪府市長会長、茂松会長がそれぞれあいさつ。吉村知事は「安全で確実なワクチン接種体制を実現したい」と述べ、市町村向けに作成する集団接種マニュアルの改善につなげていく意向を示した。茂松会長は、訓練を通じて浮き彫りとなった様々な課題に言及。「行政と医師会とが車の両輪となって、対応を検討していきたい」と結んだ。