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本日休診

赤ちゃんの笑み

府医ニュース

2020年2月19日 第2919号

 私事ですが、娘が出産したので、生まれた直後の赤ちゃんの成長を見ることとなりました。
 昔、自分の子どもを育てていた時は、日々やらねばならないことをやるのに必死で、何かを考える余裕もなく、どのように成長していったのかもよく覚えていません。しかし、孫の場合は気持ちに余裕があります。赤ちゃんがどのようにこの世界を認識するようになっていくのか、大変興味をひかれます。
 快適だった母のお腹の中がいよいよ窮屈になってきたので、この世界に出てきたわけですが、そこには様々な脅威があります。しかし、当面は医療や親などの手厚い保護によって守られています。
 「おっぱいを飲む」「眠る」「泣く」の繰り返しだった新生児期を過ぎる頃、どうやら、自分が「外に出た」ことに気付くようで、周りに関心を持ち始めます。人の顔を目で追い、構ってもらうと笑顔を見せるようになります。
 「不快」を表す「泣く」という行動の次に身に付けるのが、自分に好意を示してくれる人に対して笑顔で応えるということであるなら、それは人間が社会生活を営む上で深い意味があるのかもしれません。
 言葉を話せるのなら聞いてみたい。「外に出てきて2カ月余りですが、この世界は気に入りましたか?」そんなことを話しかけていたら、孫は「あうっ」と言って満面の笑みを浮かべました。
(瞳)