
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2020年2月19日 第2919号
令和元年度災害医療基礎(初級)研修会が令和元年11月25日午後、大阪府医師会館で開かれた。本研修会は災害医療体制確保充実事業として府医が大阪府より受託し、年2回実施。第1回となる今回は、府内医療機関に勤務する医師・看護師など約40人が参加した。
鍬方安行理事が司会・座長を務め、はじめに加納康至副会長があいさつ。昨年度からの度重なる災害を振り返り、近い将来に起こると予想される南海トラフ地震などの自然災害にも備えていく必要があると強調。その第一歩として、本研修会が様々な災害に対する知識を身に付ける一助になればと期待を寄せた。
まず、藤見聡氏(大阪急性期・総合医療センター救急診療科主任部長)が「知っててよかった災害医療の基礎知識」と題して講演。災害には自然災害と人為災害があるとし、どちらにも医療従事者として対応しなければならないと述べた。また、災害時には医療資源と医療需要のバランスが日常と逆転すると指摘。災害医療では「最大多数の負傷者に最良の結果」が求められるとし、基礎知識の習得のほか、柔軟な発想や普段からの備えが重要だと語った。
次いで、松田宏樹氏(厚生労働省DMAT事務局/大阪医療センター)が「災害時における市区町村保健医療活動について」として、大規模災害時の保健医療体制を自身の体験に基づき説明。被災地ではヒト・モノ・情報の管理が大切と述べ、主な活動として①情報の発信②救護所での活動③避難所の巡回④通常診療――を挙げた。救護本部での被災者の情報管理では、災害時標準診療記録などを紹介。「JSPEED」(災害医療チームの標準診療日報)を用いたサーベイランスを活用し、迅速な情報収集を行うとした。
その後、参加者がグループに分かれてトリアージタッグを使用した訓練を実施した。