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大阪府内科医会 第14回定時総会・記念講演会

府医ニュース

2019年5月29日 第2893号

来賓で茂松会長が登壇

 大阪府内科医会(福田正博会長)は4月20日午後、大阪市内のホテルで定時総会および記念講演会を開催。総会では茂松茂人・大阪府医師会長が来賓として祝辞を述べた。
 冒頭、福田会長はあいさつで、同医会の新たな取り組みとして産業医研修会の開催などを紹介。今後も会員をサポートするため活動の幅を広げていきたいとの意向を示した。次いで茂松・府医会長が登壇。同医会の地域に密着した活動に敬意を表した。また、中央情勢に触れ、社会保障に関しては「給付と負担の見直しが論点に挙がっている」と説明。医師会としては、国民とともに社会保障と医療を守っていかなければならないと強調した。その上で、一層の支援を呼びかけた。
 続いて、議案が協議され、平成31年度事業計画案を外山学・同医会副会長、同予算案を泉岡利於・同副会長が説明し、いずれも挙手多数で承認された。
 記念講演会では、まず福田会長が「当院におけるペマフィブラートの使用経験」と題して話題を提供。ペマフィブラート投与後の中性脂肪(TG)値の変化や安全性などを示し、高TG血症の治療における有用な選択肢であるとの見解を述べた。
 次に、庄司哲雄氏(大阪市立大学大学院医学研究科血管病態制御学研究教授)が「リポ蛋白だけでは語れないCKDの脂質異常とCVD」をテーマに講演。慢性腎臓病(CKD)では心血管疾患(CVD)の発症リスクが高いと述べ、その要因のひとつとして脂質異常症を挙げた。また、「ネフローゼ症候群を代表とする蛋白尿が中心のCKD」「慢性腎不全透析患者など糸球体濾過量(GFR)低下が主体のCKD」などを紹介。病期が進むほどスタチンによるCVDリスク低下は小さくなるとし、「CKDステージに応じた代謝管理が必要」と結んだ。
 その後、山下静也氏(地方独立行政法人りんくう総合医療センター病院長)が「冠動脈疾患を見据えた高TG血症の病態と治療――SPPARMαへの期待」と題して講演を行った。山下氏は、TGと冠動脈疾患との関連を示し、高TG血症に対する薬物治療としてフィブラート系薬の効果などを詳しく述べた。また、新しい治療薬であるSPPARMαの特長を紹介し、その効果に期待を寄せた。