
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2019年4月17日 第2889号
大阪府医師会内科学校保健懇談会が3月20日午後、府医会館で開催され、学校医や養護教諭等学校関係者約300人が参加した。
座長を竹中義人氏(府医学校医部会精神保健対策委員会委員長/たけなかキッズクリニック院長)が務め、森口久子・同部会副部会長(府医理事)が開会あいさつを行った。小児期の精神疾患は、学校現場において非常に関心の高い問題と言及。「今後も積極的な支援に取り組んでいく」と力を込め、本講習会が学校現場で直面する問題解決の一助になればと期待を寄せた。
続いて、3題の講演が行われた。都井正剛氏(同委員会委員/都井メンタルクリニック院長)は「精神科から見た母子関係――虐待も含めて」と題して講演。親が身体・精神ともに余裕を持ち、子どもへの関わりや人間関係の安定をはかることが、虐待を減らすひとつの可能性と指摘。「虐待した親を責めるだけでは、決して解決しない」と強調した。次に、柳本嘉時氏(同委員/関西医科大学総合医療センター小児科助教)が「小児科における様々な摂食障害――経験を交えて」として、摂食障害のタイプと診断基準や注意点を提示した。特に栄養失調が原因の発育不良が見られる場合には、専門医への相談を行うよう促した。安田由華氏(同委員/生きる・育む・輝くメンタルクリニック院長)は「発達障害――学校現場での対応を考える」と題し、発達障害の種類とその症状について説明。教育現場での実例を紹介し、支援には個々のニーズに応じた教育支援計画を立てることが重要とした。
竹中氏は本懇談会の総括とともに、会場からの質問に回答。このうち、携帯電話・スマートフォンなどへの依存症の低年齢化に関しては、同委員会で対策を講じていきたいと述べた。