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医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2018年5月30日 第2857号
核戦争防止国際医師会議(IPPNW)大阪府支部(安田正幸支部長)は4月21日午後、第36回支部総会・記念講演会を大阪府医師会館で開催した。
安田支部長は冒頭、高齢化等に伴う会員数の減少を憂慮。一方でこのほど、IPPNW日本支部代表支部長の横倉義武・日本医師会長(=世界医師会長)より都道府県支部設立の依頼がなされ、一部の県が活動に加わったと報告した。また、昨年7月に採択された核兵器禁止条約に言及。世界の世論調査の結果によると、多くの人々が核兵器廃絶の国際合意を支持しているとし、次世代に引き継がれてほしいと述べた。その後、茂松茂人・府医会長のあいさつを矢野隆子運営委員(府医理事)が代読。IPPNWの活動が世界の平和と安全につながるよう、期待を寄せた。
議事では、次期役員が拍手多数で選任された。28年度収支決算、30年度予算など経理関係については、北村良夫運営委員(府医理事)が議案を上程し、それぞれ承認された。29年度事業報告・30年度事業計画案に関しては岩本伸一運営委員が説明。事業計画案は一部加筆の上、了承となった。なお、傍聴参加した医学生から、「医学生への呼びかけ」について問われ、次世代に向けた活動に努めると回答。閉会にあたり齋田幸次副支部長は、前向きに一つひとつの課題に対応していくと述べた。
引き続き、「核兵器禁止条約と米国の核態勢見直し」と題し、IPPNW大阪府支部特別顧問でもある黒澤満氏(大阪女学院大学教授・大阪大学名誉教授)による特別講演が行われた。黒澤氏は同条約の背景や作成プロセスを客観的に論じたほか、トランプ政権におけるアメリカの核態勢の見直しに言及。その上で、日本政府の反対姿勢に変化をもたらすには、世論を形成し、政治家の行動につなげることが重要であると語った。