TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

第19回大阪病院学会が開催

府医ニュース

2018年2月7日 第2846号

高齢社会に対し前向きな議論を

 第19回大阪病院学会(大口善郎学会長)が、大阪府私立病院協会(生野弘道会長)と大阪府病院協会(福原毅会長)の主催により平成29年11月12日、大阪国際会議場で開催された。今回は「夢のある高齢社会を目指して」をテーマとして府内の病院関係者ら1745人の参加を得て、午前から夕刻にかけてシンポジウム、特別講演が行われたほか、14会場で267題に上る演題が報告された。


 同学会の木野昌也・実行委員長の開会宣言に続きあいさつした大口学会長は、病院医療を提供する立場から医師、看護師、薬剤師などすべての職種が集い、超高齢社会に対する議論を前向きに行いたいと語った。
 来賓のひとりとして祝辞を述べた茂松茂人・大阪府医師会長は、高齢者が地域において安心安全に暮らせる社会を構築する必要があると指摘。府内各地域で医師会が行政とともに在宅医療諸事業への取り組みを進める一方で、救急・災害も見据えた急性期病院のネットワークも不可欠だとして、患者や家族に寄り添いながら地域づくりを進めたいと述べた。
 続いて開かれたシンポジウムでは、「地域医療構想と地域包括ケアシステム/病院の役割と2018年4月の医療・介護報酬同時改定に向けて」をテーマとして、まず、鈴木康裕・厚生労働省医務技監が発言。平成30年度に実施される診療、介護、障害福祉サービスの3報酬改定に際し、各病院がそれぞれの地域、立ち位置をしっかり確認し、将来との間でミスマッチが生じることのないようにしてもらいたいと語った。
 その後、木野・実行委員長が座長を務め、加納繁照・日本医療法人協会長、茂松府医会長、高橋弘枝・大阪府看護協会長、生野・私病協会長、福原・府病協会長がシンポジストとして登壇。それぞれの立場から、病院の機能や果たすべき役割などについて見解を示した。
 午後から行われた特別講演では、多くの聴講者を前に山中伸弥・京都大学iPS細胞研究所長が「iPS細胞がひらく新しい医学」をテーマとして研究、技術開発の現状とその将来を語った。