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泉佐野泉南医師会が講演会開催

府医ニュース

2018年2月7日 第2846号

松原・日医副会長、新専門医制度など解説

 泉佐野泉南医師会(野上浩實会長)は平成29年12月16日夕刻、松原謙二・日本医師会副会長を講師に招き、泉佐野市内のホテルで会員を対象とした講演会を開催した。
 野上・泉佐野泉南医師会長は開会あいさつの中で、地域医療構想に関する国の考え方に触れ、医療費抑制の観点からの実施は許されないと断じた。また、泉州地域における急性期病床の不足を憂慮するとともに、在宅医療でも課題は山積しているとし、「国民が納得できる地域医療体制が構築されるべき」と述べた。そのほか、新たな専門医制度に関し、専攻医一次登録の状況を踏まえ、「まずは内科・小児科・外科などに進み、総合診療専門医を目指すのでは」との見方を示した。
 引き続き、石本喜和男・同医師会副会長が座長を務め、松原・日医副会長による「新専門医制度と中央情勢について」と題する講演が行われた。まず、中央情勢として、▽診療報酬改定のプロセス▽自身の社会保障審議会・医療保険部会委員としての取り組み▽薬価設定の在り方――などを語った。次いで、新たな専門医制度の背景を説明。当初、医師の偏在助長やダブルライセンスが認められないなどの問題が確認されたため、「開始時期を遅らせてでも再検討する必要があった」と振り返った。また、専門医制度新整備指針から、「研修施設」「専攻医」「専門医の認定・更新」を概説するとともに、都市部の研修プログラム定員の上限などを詳説。総合診療専門医では、診療科をオーバーラップして評価する仕組みが必要との見解を示したほか、日医と日本専門医機構の情報共有を一層円滑にさせるためにも、「専門医共通講習」を通じた都道府県・郡市区等医師会の協力が改めて要請された。
 最後に松原・日医副会長は、我が国の医療制度は諸外国からも高い評価を受けていると強調。100年先まで見据え、「患者のためになる医療」を念頭に尽力していくと締めくくった。