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府医ニュース
2017年5月31日 第2821号
堺市医師会外科医会(酒井英雄会長)は、平成29年度(第53回)総会を4月22日午後、堺市内のホテルで開催。総会終了後には、茂松茂人・大阪府医師会長が「日本の医療はどうなる――成熟社会・低成長社会を迎えて」と題し講演を行った。
総会開会にあたり、あいさつに立った酒井氏は、会務運営への協力に対する謝辞を述べた上で、3人の新入会員を得たことを報告。各会員に医会事業への積極的な参加を要請した。続いて、岡原猛・堺市医師会長があいさつ。専門医制度、地域包括ケアなどについて話題提供を行い、11月25日に同医師会70周年記念式典を開催する旨を報告した。
総会議事では、永年会員(30年)3人を代表して能田貞二氏が顕彰されたほか、28年度事業報告、同会計報告、監査報告、29年度事業計画(案)の報告が行われ、いずれも承認された。
総会終了後の講演会で、茂松・府医会長はまず、医療法、医師法、保助看法が施行された昭和23年、36年の国民皆保険制度発足、48年の老人医療費無償化、58年の厚生省官僚による「医療費亡国論」発言などの医療史を紐解きつつ、節目節目で医療費抑制策が取られてきたことを指摘。更に、小泉政権下で年間2200億円の社会保障費抑制が行われた後も、経済財政諮問会議や規制改革会議などの財政至上政策が今日の「医療費適正化計画」に結び付き、連綿と医療費、社会保障費抑制策が続いているとした。
その上で、消費税増税が先送りされ、高い経済成長が望めない現状に鑑み、本当に支援が必要な人に手が差し伸べられる「支え合い」の社会を実現していかねばならないと主張。医療、社会保障に必要な財源を政府に求めていくと語った。また、医師会の取り組みに関して、日本医師会かかりつけ医機能研修制度では、総合診療専門医の導入を見据えて注視していく必要があるとの考えを示した。一方、府医の活動として、研修医約300人を対象とした「ウェルカムパーティー」そして、府民を対象とした「メディカルカフェ」の開催、新聞社主催のイベント「学びのフェス」への参画などを通じて会内外への情報発信を続けていることを紹介した。
最後に、茂松・府医会長は、医師会が一致団結し、先達が守ってきた日本の医療制度を若い世代に引き継ぐとともに、適切な医療が国民に提供されるよう声を上げていきたいと強調した。