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府医ニュース
2017年5月31日 第2821号
大阪府医師会は4月1日夕刻、第5回新研修医ウェルカムパーティーを大阪市内のホテルで開催。今春から大阪府内の臨床研修病院で前期研修を開始する新研修医237人が参加し、府医役員をはじめ、研修病院長や指導医、府医勤務医部会・郡市区等医師会の役員らと懇親を深めた。
本催しは、新研修医が医師会組織と接点がないまま勤務し、「結果的に未入会となってしまう状況」を改善するために企画された。医師会活動を直接紹介し、理解してもらうことで入会促進を図り、医師会事業への参加を促すとともに、組織強化につなげることに主眼を置いている。毎年4月に開催しており、今年で5回目を迎える。
司会は福田寛二理事が務め、開会にあたり茂松茂人会長があいさつ。はじめに、「医療は医学の社会的適応である」との武見太郎・元日本医師会長の言葉を引用。医師には、疾患の治療だけでなく、患者の背景や家族、環境を含めた幅広い視点での対応が求められるとした。その上で、予防に関する指導や、治療後の社会復帰に向けた支援など、多岐にわたる社会的使命があると説いた。また茂松会長は、「医局で様々な相談に乗ってもらった」と自身の研修医時代を振り返り、研修制度が変遷した現在は、指導医や医師会を頼ってほしいと述べた。
一方、経済低迷や消費税増税の延期、世界に類をみない急速な少子高齢化などを背景とした医療費抑制が続き、我が国の医療を取り巻く環境は非常に厳しいと言及。その中においても、国民が適切に医療を受けることができる体制整備や、医療従事者が安心安全に医療を提供できる環境づくりに取り組むことが医師会の役目であると強調した。そして、医師としての人生を歩むにあたり、様々な不安や期待があると思うが、生涯をかけて多くのことを学び、人格の修養に努めてほしいと述べ、「患者に心から寄り添える素敵な医師になってほしい」とエールを送った。
続いて、加納康至副会長が府医について紹介。医師会設立の経緯や、医師会組織・会員区分、各種事業などを示した。また、会員がより良い医療を患者に提供できるよう、様々な支援を充実させることが医師会の責務であると指摘。そのひとつとして医師賠償責任保険を挙げ、医療行為に携わる医師には必須の保険であると加えた。更に、勤務中の医療行為が医事紛争に発展した場合も、府医ではこれに対応できる仕組みをつくり、会員をサポートしているとした。
次いで、府医の関連団体である朝日輝男・大阪府医師協同組合専務理事が登壇。「医師のための組合」として購買事業や各種損害・生命保険などの福祉事業を詳説した。また、深見達雄・大阪府医師信用組合専務理事は、府医会員が設立した「医師のための専門金融機関」であり、医業経営と暮らしに役立つ各種金融サービスを提供していると前置き。研修医に向けて、無担保型の「研修医応援ローン」も紹介した。
その後、泉岡利於・大阪府内科医会副会長が、10月に大阪で開催される「第31回日本臨床内科医学会」を案内したのに続き、高井康之副会長の乾杯発声で歓談に移行。会場では、臨床研修病院が所在する二次医療圏ごとにテーブルが配置された。参加した研修医は、研修病院・大学の医師や郡市区等医師会役員らと意見を交わし、親睦を深めた。
府医では、ウェルカムパーティーを通じて研修医の入会促進に努めている。今後、一層の組織強化を図り「強い医師会」を目指すため、5月9日の第6回定例理事会で「組織強化に関するワーキングチーム」設置を決定。茂松会長主導の下、中尾正俊・高井・加納各副会長、宮川松剛・栗山隆信・福田理事が中心となり検討を行う予定。