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医師・医療関係者のみなさまへ

茨木市・高槻市・摂津市医師会合同役員会で茂松会長

府医ニュース

2017年4月19日 第2817号

患者本位の医療提供体制が必要
「行き過ぎた成果主義」に警鐘

 茨木市医師会(上野豊会長)・高槻市医師会(丸山優子会長)・摂津市医師会(細川眞哉会長)は2月25日夕刻、大阪市内のホテルで合同役員会を開催。今期は茨木市医師会が主務を担い、大阪府医師会からは茂松茂人会長・中尾正俊副会長・栗山隆信理事(高槻市医師会副会長)の3名が来賓として出席した。
 開会にあたり、上野・茨木市医師会長があいさつ。医療費抑制策による厳しい状況が続くが、市民の健康のため、良質な医療提供体制を維持しなければならないと述べた。また、府医執行部の方針に理解を示した上で、茂松・府医会長の出身母体でもあり、今後も強く支援していくと表明した。
 茂松・府医会長は「最近の医療情勢」と題して講演した。冒頭、経済・医療政策と医療費の変遷を提示するとともに、日本医師会「医療政策シンポジウム」(2月8日開催)でのパネルディスカッションの模様を紹介。経済財政諮問会議の民間議員が、社会保障や医療にも「費用対効果」を取り入れようとする姿勢に疑義を呈した。あわせて「行き過ぎた成果主義」を是正しなければならないと強調した。地域包括ケアシステムについては、医療費抑制の側面があるとしつつ、患者本位の体制づくりが求められるとした。また、在宅医療の推進と並行し、健康の維持・向上の取り組みの必要性に言及。かかりつけ医が積極的にかかわってほしいと期待を込めた。そのほか医療に関する課題を幅広く取り上げ、経済最優先の現状において、医療の今後を考えるきっかけになればとまとめた。
 中尾・府医副会長は、平成29年度実施予定の「大阪府地域医療連携推進事業」の新規事業を提示。多職種連携による質の高い在宅医療の供給を拡充するとともに、地域特性を踏まえた医療機関間の連携体制を構築し、入退院の円滑化を図りたいとした。具体的な活動として、「地域医療連携コーディネータ」による1.患者の円滑な入退院・在宅移行支援2.他市町村等との医療連携3.在宅医相互支援体制の協議――を紹介。地区医師会の積極的な参画を呼びかけた。