
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2017年4月5日 第2816号
大阪府医師会・大阪糖尿病対策推進会議(清野裕代表)・大阪府の主催による「糖尿病医療連携普及促進にかかる研修会」が3月9日午後、府医会館で開かれた。会員ら約150人が参集し、大阪府における糖尿病医療連携の現状や糖尿病医療に関して研鑽を積んだ。
当日は、福田正博氏(大阪糖尿病対策推進会議幹事)が座長を務め、最初に宮川松剛・府医理事があいさつ。糖尿病性腎症の重症化予防には医療連携が重要であり、患者が安心できる医療提供体制の構築が大切と述べた。
次いで、小西恒氏(大阪府健康医療部保健医療室健康づくり課)が、「大阪府における糖尿病対策の取り組み」と題して講演。大阪府内の健康指標および医療費の割合を提示し、「生活習慣病対策の重要性」を強調した。その上で、大阪府の具体的な取り組みを紹介。健康寿命延伸プロジェクトを「知事重点事業」と位置付けて推進しているほか、糖尿病に対しては、府医への事業委託や『府政だより』などを通じて府民に啓発しているとした。また、産婦人科医の立場から、「妊娠糖尿病」に言及。分娩後の適切なフォローで、「糖尿病を発症させない」ことが肝要とし、一層の糖尿病医療連携の必要性を訴えた。
続いて、清野氏が「糖尿病医療について」として講演を行った。まず、糖尿病が高齢者の健康に与える影響を説明。筋質を低下させるとの報告から、「食事と運動」に関して注意を促した。更にDPP―4阻害薬の使用状況を紹介するとともに、同薬が「タンパク・脂肪の前摂取により、血糖降下作用を高める可能性がある」との仮説を紹介。食事療法との関連を詳説した。最後に、糖尿病性腎症による透析を予防することは、医療費の観点からも有益と指摘。『糖尿病医療連携体制を構築するためのガイド』を活用し、早期の糖尿病患者への介入、あるいは専門医との連携に努めてほしいとまとめた。