
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2017年4月5日 第2816号
大阪府医師会は3月2日午後、第29回医療情報に関する講演会を府医会館で開催した。本講演会は、医療情報分野に関する会員意識の啓発を目的として毎年開かれているもので、今回は「医療制度におけるICT化の問題点について/ITフェア」をメインテーマに実施。会員や会員医療機関の従事者など約160人が熱心に聴講した。
司会は大平真司理事が務め、開会にあたり茂松茂人会長があいさつ。各分野のICT化が進む中で保健・医療分野における基盤も整備されつつあるとした。このため、各医療機関にも一層のICT化が求められる一方、導入や維持・管理における課題も多いと強調。国や自治体の動きを注視したいと述べた上で、本講演会が、医療におけるICT化の方向性や問題の所在、議論の動向などを知る機会になればと期待を寄せた。
講演は、川西克幸氏(医療情報委員会委員長)の座長により進行。まず、石川広己・日本医師会常任理事が「日本医師会のICT戦略と医療等分野ネットワーク構想――医療・介護連携の発展のために」と題して講演を行った。石川氏は、厚生労働省「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」など、各種会議に参加する医師会代表者としての立場から、医療情報に関する議論の動向を紹介。2025年に向けた地域包括ケアシステム構築をはじめ、医療における様々な問題の解決方法として、高度なセキュリティが担保された上での医療情報連携の充実は有効とした。また、ICT環境が発展する中で、医療連携のICT化も追究したいと前置き。日医の戦略として、▽医療・介護情報連携と医療情報ICT化の共通基盤の構築▽医療・介護分野のビッグデータ構築と利活用▽日医標準レセプトソフト(ORCA)事業の継続▽医療等分野専用ネットワークの形成――を挙げ、それぞれを詳説した。
続いて、上野智明氏(日医ORCA管理機構株式会社代表取締役社長)から、ORCAの普及状況(全国1万6048施設/1月時点)が報告された。あわせて、「検査・画像情報提供加算/電子的診療情報評価料」の算定要件を満たすために構築された、文書交換サービス「MEDPost(メドポスト)」を紹介。診療情報提供書などを身近なインターネット環境で安全に送受信できるソフトとして、概要や診療報酬算定までの流れを説明した。