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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2017年2月1日 第2810号
大阪府医師会・大阪府・大阪市主催による平成28年度第2回「認知症サポート医フォローアップ研修」が28年12月17日午後、大阪府医師会館で行われた。当日は、「認知症初期集中支援推進事業について」をテーマに、2題の講演を実施。医師・医療従事者・認知症地域支援推進員ら約160人が参加した。
冒頭、あいさつに立った中尾正俊副会長は、高齢化の進展に伴う認知症高齢者の増加に言及。認知症サポート医の増員に意欲を示した。あわせて、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)に掲げる「認知症初期集中支援チーム」に触れ、30年度に全市町村で円滑に実施されるよう協力したいと述べた。
引き続き、黒田研二氏(府医介護・高齢者福祉委員会委員長)が座長を務め、松谷之義氏(同委員会副委員長)が、「枚方市認知症初期集中支援チームに関わって」と題して講演。新オレンジプランを基に、認知症初期集中支援チームを設置する目的や対象、要件などを説明した。その上で、枚方市の取り組みを紹介。認知症を「オレンジ」と言い換え、「枚方市オレンジ初期集中支援チーム」として活動しているとの報告があった。一方、活動を通してチームの重要性を再認識するとともに、「周知の必要性やサポート医の役割といった課題も見えた」と指摘。認知症対策の更なる向上を求めた。
次いで中島周三氏(同委員会委員)より、「茨木市における認知症事業(茨木市モデル)と認知症初期集中支援チームについて――医師会と茨木市の取り組み」として、報告が行われた。同市では認知症事業の一環として、スウェーデンのウメオ大学と共同開発したアプリケーション「DMSS―W(Dementia Management Support System)」を利用していると説示。タブレット端末に患者の問診情報を入力すれば、認知症の診断、治療・介護のアドバイスなどが表示され、認知症の診療を原則、かかりつけ医で完結することが可能になるとした。これに地域連携手帳を加え、「茨木市モデル」を展開しており、全国的にも注目されていると胸を張った。また、同市で実施した認知症初期集中支援チームの活動を詳しく解説した。
講演後には質疑応答が実施され、活発な意見交換が行われた。