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府医ニュース
2016年4月6日 第2780号
我が家から車で少し走ったところに、狭山池があります。
現存する日本最古のダム式ため池で、「古事記」や「日本書紀」に狭山池についての記述があるそうです。国の史跡に指定されており、地元の大阪狭山市では、今年を築造1400年として記念事業を行っています。
この狭山池は、清少納言の「枕草子」にも登場しています。私は、「春はあけぼの」のように「池は狭山」と書いてあるのだろうと想像していたのですが、原文を確認したら違っていました。
「池は、勝間田の池。磐余の池。」で始まる第38段の後半に「狭山の池、みくりといふ歌のをかしきが覚ゆるならむ」とあります。「みくり」とは三稜草という水辺に生える草で古今集の中にそれが出てくる歌があるそうです(注)。「三稜草の歌が素敵なので、狭山池って覚えてるわ」というような意味でしょうか。清少納言はおそらく実際に狭山池を見たことはなく、狭山池そのものよりも三稜草の歌の方に心惹かれていたようです。
狭山池の周囲は、一周2.8㌔のウオーキングコースとして整備されており、私も時々歩きに行っています。広々とした池の向こうには、二上、葛城、金剛の山々が連なり、水面には多くの野鳥が遊んでいます。それらの風景を見ながら、狭山池のウオーキングコースを歩いていると、心も広々としてくるように思えます。
私にとっては、やはり「池は狭山」です。(瞳)
(注)恋すてふ狭山の池のみくりこそ 引けば絶えすれ我や根絶ゆる