
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2016年3月16日 第2778号
大阪府医師会・大阪府訪問看護ステーション協会・大阪府看護協会の主催による「大阪府訪問看護ステーションシンポジウム」が1月23日午後、府医会館で開催された。「大阪の在宅医療・看護の未来を考える――地域の医療ニーズに応じた訪問看護の方向をさぐる」をテーマに、医師や訪問看護師のほか、訪問看護ステーションを運営する医師会や地域包括支援センター、行政、介護関係者ら約120人が参加した。
宮川松剛・府医理事の司会の下、はじめに主催者を代表して茂松茂人・府医副会長があいさつ。地域包括ケアシステムの構築には訪問看護の力が不可欠であるとして、本日のシンポジウムが府内の医療・介護連携推進の一助になればと期待を込めた。
第1部は座長を茂松・府医副会長が務め、上家和子・大阪府健康医療部長が「多職種連携による医療機能の分化と強化――在宅医療の戦力・訪問看護」と題して基調講演を行った。上家氏は、今後多死社会を迎えるにあたって、在宅での看取りを支える訪問看護の重要性に言及。大阪には、訪問看護師が事務業務もしなければならない小規模の訪問看護ステーションが多いとし、医療機関や多職種との連携強化を説いた。更に、経営の安定化を進めるためにもステーションの大型化も視野に入れつつ、「楽しく、やりがいのある現場」の構築を訴えた。
第2部では、「大阪府訪問看護推進総合事業でひろがる訪問看護ウェーブ」をテーマに、事業報告とシンポジウムが実施された。座長は榮木教子・大阪府訪問看護ステーション協会長が務め、立石容子氏(同協会副会長)および津塩昌子氏(ふちゅう訪問看護ステーション)が事業報告を行った。続いて、宮川・府医理事が「在宅医療推進コーディネータ事業について」、中尾正俊・府医副会長が「介護保険をめぐる在宅かかりつけ医と訪問看護・ケアマネジャーの関係について」と題し講演した。
その後の全体討議で、中尾・府医副会長は、主治医に基づき適切に訪問看護の要否や特別訪問看護指示書の交付がなされるとした。その上で、「特定行為に係る看護師の研修制度」が進み、訪問看護師が行う医療的行為の範囲が広がることで、かかりつけ医と訪問看護師の連携は更に重要になると指摘。主治医の包括的指示の下で行う医療的行為について当事者として考えるとともに、各地域の訪問看護ステーション協会では医師会との協議を重ねてほしいと締めくくった。