
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2016年2月3日 第2774号
北区医師会(波多野泉会長)は平成27年12月5日午後、「第13回北区医師会在宅医療研修会」(司会=米田円理事)を区内で開催した。今回は「在宅での看取り――人生の終焉の場にあなたはどこを選びますか?」をテーマに、医療・介護従事者や区民らが参集し、講演に耳を傾けた。
開会にあたり、波多野会長があいさつ。在宅医療と在宅での看取りは密接な関係を持つとして、本研修会を通じて理解を深めてほしいと語った。
第1部では、医師会立北区訪問看護ステーション所長の山本恵美氏が、「当ステーションにおける看取りの現状」と題して報告。日頃から家族やかかりつけ医と看取りに関して意見交換しておくことが重要と語った。
第2部では、「看取りの場からの報告」をテーマにパネルディスカッションを展開。診療所の立場から、本出肇氏(本出診療所院長)が、大阪府における高齢化の推移のほか、同区における地域包括ケアの進捗状況などに言及。李雲柱氏(イークリニック院長)は、自院での事例を紹介し、本人や家族が納得できる看取りのためには、人生の終焉に対する覚悟を持つことが必要だと述べた。また、石井豊氏(石井クリニック院長)は、高齢化に伴い「看取り場所」が不足すると予測。医療機関・介護施設・在宅での看取り体制強化の必要があると分析した。
介護施設の立場からは、東千尋氏(大阪府済生会中津病院長補佐/中津特別養護老人ホーム喜久寿苑顧問)が発言。看取り介護は日常ケアの延長線上にあり、入居者、家族、施設の信頼関係を強固にする必要性を示した。病院の立場からは、木村はなこ氏(北野病院医療ソーシャルワーカー)が、在宅療養中でも状態に応じて再入院を可能とする「バックベッド」と呼ばれる仕組みを紹介。病院・診療所が連携して在宅での看取りを後押しできる体制を推進したいと締めくくった。