
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2015年12月30日 第2770号
大正区医師会(樫原秀一会長)は11月7日午後、「第6回トータル医療ネットワーク協議会」を開催した。当日は、樫原会長をはじめ、佐久間靖博・浪速区医師会長、中村正廣・東成区医師会長らが出席。大阪府医師会からは中尾正俊副会長、宮川松剛理事が講演を行った。
あいさつで樫原・大正区医師会長は、本協議会での検討を通じ、在宅医療推進コーディネータ事業、地域包括ケアシステムについて、多職種間で理解を深めてほしいと語った。佐久間・浪速区医師会長は、同区医師会は早期から地域包括ケア体制構築に取り組んでいるが、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向け、今後も適切な医療体制の確保に努めたいとした。
講演では、大正区医師会在宅医療推進コーディネータである古園亜弓氏が、在宅医療の実施状況に関するアンケート結果を解説した。また、東成区医師会在宅医療・介護連携室の平田結花氏は、同区医師会が大阪市より受託している「高齢者等在宅医療介護連携に関する相談事業」の進渉状況について報告を行った。続いて、久保田泰弘・浪速区医師会理事が、同区医師会が取り組む医療・介護連携プロジェクトとして、ブルーカード、iProject、メディケアカードなどのツールを用いた医療機関間での患者情報共有システムを紹介した。
総括で宮川・府医理事は、サービス供給量の拡充、介護職との連携、質の向上・効率化が在宅医療に求められていると分析した。その上で、訪問診療や看取り実績のある診療所を地域で増加させるためには、在宅医療推進コーディネータの配置を進めることが重要と強調。府医では29年度までに、すべての地区医師会が地域医療連携室を設置の上、在宅医療推進コーディネータを配置し、30年度には全市町村がスタートを切る「在宅医療・介護連携推進事業」へのスムーズな移行を目標にしていると語った。続いて登壇した中尾・府医副会長は、病院や在宅医療専門医療機関との連携においては、地区医師会、地域包括支援センターとの連携や地域住民との協働関係が不可欠であるとの考えを示した。また、2040年には死亡者数がピークの166万人に達するとの予測に言及し、若手医師に地域包括ケアへの参加を促すことが喫緊の課題であると指摘。今後も認知症や訪問看護関連の政策の動向を注視していきたいと述べた。
閉会のあいさつで中村・東成区医師会長は、かかりつけ医が地域住民との人間関係を構築することを基本に、地域医療・介護体制や看取りへの対応を強化したいと締めくくった。