
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2015年4月15日 第2745号
◆大坂の陣の焼け跡から、幕府は大坂を江戸への物資供給の中継地として復興を図った。元禄時代には、主な堀川の完成により水運網が整備され、のちに天下の台所といわれる繁栄の礎となった。
◆『元禄十二年新撰増補大坂大絵図(1699年)』では、今に長らえる水都大坂の原風景が見てとれる。町人の居住地には、大坂三郷と呼ばれる、北組、南組、天満組が示されている。当時の大坂は幕府の直轄地であったが、商業の中心地となった三郷には、自治が認められていた。
◆夏の陣から400年の今年、新たな特別区への再編を目指す、大阪都構想に向けた住民投票が間もなくだ。二重行政の解消と経済成長戦略を掲げた改革の賛否が問われる。
◆しかし、大阪府人口減少社会白書によると、大阪は3大都市の中で最も早く人口減少時代に突入し、急激に高齢化が進むとしている。医療・介護の需要増加に対する地域医療の担保も決して後回しにはできない。改革の是非の選択を、医療福祉の将来を見据えた視点から考えることも重要であろう。(誠)