
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2015年3月25日 第2743号
門真市内の医療・介護・福祉に携わる専門職が自主的に集う「れんこんの会」(事務局=門真市医師会)では、地域包括ケアの充実を目指して、風通しの良い連携を図っている。また、地域における多職種連携の基盤作りに努め、介護医療連携資源集の編集作業や事例検討会への協力など、チームとして取り組んでいる。
同会が行うイベント「門真だよ!全員集合!!」は、「れんこんニュース」スタジオから多職種連携にまつわる報道番組を舞台で表現。アナウンサーの職歴を持つケアマネジャーがアンカーを務め、映像素材は出演者・制作とも同会メンバーの自前。舞台では医師や訪問看護師がコメンテーターとして解説を加え、テーマごとに課題への共通理解を深める企画で、脚本自体が研修会の構成となっている。2月21日午後にはパート7として「私らしく『生ききる』ためのエンディングノート」と題して〝放送〟された。
チーム門真の総監督と紹介され、開会あいさつに登壇した寺西強・同市医師会長は、無届老人ホームでの拘束事例報道に「悲しい気持ちになった」とし、思いやりや温かみの大切さとともに、それらを育む風通しの良い連携が重要と強調。行政の参加も促しつつ地域包括ケアの発展に期待を寄せた。
――「入院して相談する人もおらんのに…」。れんこんの会では、前回事例検討会(平成26年12月)後、在宅療養をイメージできる導入アプローチや寄り添い、適切な介入のタイミングなど、本人が望む終末期を過ごすための支援について掘り下げることとした。要支援者が遺したつぶやきを起点に、本人が「生ききる」ための多職種の取り組みについて、訪問看護ステーション連絡会代表がシナリオを編集。「れんこんニュース」では、要支援者と家族の証言や、携わった多職種一人ひとりの思いが丹念に報道された。
舞台に加わった外山学・同市医師会副会長は、まず本人の希望がはっきりしていれば、ケアチームもがんばりやすいと説明。自分らしく生ききることで、周りの人にも様々なことが伝わり、それぞれの人の中に生きざまがつながっていくと述べた。そして、一例として日常生活と直結したエンディングノートの記載を挙げ、同会が企画編集したルーズリーフ型の「ほんとうの私を伝えたい~私らしく"生ききる"ためのエンディングノート」を紹介。なお、外山副会長は、診療時の会話の延長上に終末期の意向を聞くことがあり、その際は家族にも言葉で伝えると説明。形式にこだわらず、それぞれの思いを受け止め支える大切さに言及した。
終了後には、寺西会長や後見人を務めるケアマネジャーらも加わり、本日の内容をフロアとともに検証。途中、制作秘話が明かされるなど、硬軟織りなすチームワークで門真における地域包括ケアを見通した。