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時事

未承認新薬が増加

府医ニュース

2026年10月28日 第3160号

迅速なドラッグロス対策を

 ドラッグロスとは、海外で承認されている医薬品が日本国内で開発・承認されず、患者が利用できない状況を指す。国内での治験開始の遅れや治験期間の長期化、企業の開発意欲の低下などが原因で発生するため、対策が必要である。
 令和8年4月6日に開催された「日本成長戦略会議第5回創薬・先端医療ワーキンググループ」において、ドラッグラグ・ドラッグロスの解消に向けた取り組みが取り上げられ、開発未着手の医薬品について、国が能動的に企業への開発要請等を行う枠組みを構築するとした。具体的には、①国において国内開発未着手の医薬品の情報を整理②未承認薬・適応外薬検討会議において、それらの医薬品の医療上の必要性を判断③それを踏まえ、国から企業への開発要請や開発企業の公募――を行う。従来のルートは学会・患者会等からの未承認薬・適応外薬の要望であったが、新規ルートは前述の①を目的とする6年度厚生労働科学特別研究事業「ドラッグ・ロスの実態調査と解決手段の構築」において、医薬品のデータ整理、関連学会へのニーズ調査、市場性調査、開発の優先順位付けなどを実施する。次いで、検討会議を経て、現在生じているドラッグロスのうち、我が国で当該疾患の既存薬がない薬剤などについて9年度までに開発につき要請・公募する。
 平成28~令和2年に欧米で承認された医薬品のうち、5年3月時点で日本では承認されていない医薬品(未承認薬)は143品目。そのうち、開発未着手で、承認申請すらなされない医薬品が86品目(60.1%)で、ドラッグラグ・ロスの発生となっている。開発未着手の86品目の内分けでは、ベンチャー発の医薬品48品目(56%)や希少疾病用医薬品(オーファン)40品目(47%)、小児用医薬品32品目(37%)の割合が大きい。なお、7年5月の検討会議において医療上の必要性の評価を実施し、2品目の開発要請と6品目の開発公募を済ませた。一方、7年度未承認薬等迅速解消促進調査事業において、3年1月1日から5年3月31日の間に欧米で承認された医薬品のうち、7年3月31日時点で国内開発未着手の医薬品を調査した結果、28品目が該当し、開発の優先順位を整理した結果、開発の必要性が特に高いとされたのが5品目、開発の必要性が高いとされたのが1品目あり、この6品目について、今後、検討会議における医療上の必要性の評価を経て、企業への開発要請および開発公募を実施予定である。
 8年9月4日に「第69回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」が開催され、先述の6品目を評価した結果を踏まえ開発要請などを実施する予定であり、さらに必要性の高いその他10品目についても引き続き情報収集に努めるとした。今後、ドラッグロスの発生状況について定期的に調査・整理を行って取りまとめ、検討会議に導入の必要性の評価を依頼するとしたが、未承認薬等は増加を続けており、より迅速に対応することが必要と考える。 (中)