
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年10月21日 第3159号
大阪府医師会労災部会・産業医部会の共催による「令和8年度第1回労災医療研修会」が7月10日午後、府医会館で開催。当日は、府医会員をはじめ関係者ら約100人が参集した。
開会に先立ち、永濵要理事があいさつ。本研修会が労働災害の理解を深める機会になればと期待を寄せた。
河村禎人氏(府医労災部会副部会長)が座長を務め、はじめに、河井秀夫氏(友隣会メディカルケアクリニック整形外科)が、「上肢作業に基づく上肢障害の代表的疾病とその方々の就業について――上肢骨外上顆炎、手根管症候群、書痙等」と題して講演した。上肢障害の労災認定には、①上肢などに負担のかかる作業への相当期間の従事②発症直前3カ月間の過重業務③発症経過の医学的妥当性――の要件を満たす必要があると解説。加えて、上肢障害の代表的な疾患の病態、特徴、要因などを事例とともに紹介した。治療においては、ストレッチなどの運動療法や薬物療法・装具治療が中心となるが、手術を要する場合もあると伝えた。
次に、佐藤仁氏(大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部特任准教授)が、「職場におけるコミュニケーションの視点から考える、レジリエントなチームづくり――患者取り違え事故も踏まえた考察」をテーマに登壇。まず、医療安全の確保には高度な専門技術だけでなく、人間の認知特性や限界を補う「ノンテクニカルスキル」が不可欠だと前置きした。その上で、患者取り違えの事例を挙げ、円滑な、▽状況認識▽意思決定▽コミュニケーション▽チームワーク▽リーダーシップ▽ストレス管理――といった要素が医療安全対策の根幹を支えると強調した。あわせて、リスクを恐れずに発言や質問、ミスの報告ができる「心理的安全性」の高いチームこそが医療現場の急な変化やトラブルにも柔軟に対応できるとの見解を示した。
そのほか、成功事例に着目した「Safety-Ⅱ」などの新たな概念を提示。レジリエンス力を備えた組織づくりが重要と呼びかけた。