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医師・医療関係者のみなさまへ

近医連定時委員総会分科会報告(概要)

府医ニュース

2026年10月7日 第3158号

第1分科会/医療保険
診療報酬改定総括に向け意見交換

 第1分科会(医療保険)では、「令和8年度診療報酬改定の評価と課題」をテーマに、江澤和彦・日本医師会常任理事による講演が行われたほか、8年度診療報酬改定の総括に向けて、▽物価対応料▽ベースアップ評価料▽機能強化加算や外来管理加算など▽急性期病院一般入院基本料▽診療報酬改定に向けて医療提供側が主張すべきこと――などについて意見交換を行った。
 まず、事前アンケートに基づき各府県が「物価対応料」に関して発言。大阪からは永濵要理事が、物価対応料の別立ては評価する一方で、今般の物価高騰に対して不十分な点数だと指摘した。また、現場の医師から「点数が上がった実感がない」との声が強まっているとし、さらなる上乗せが必要だったとの見解を表明。次期改定では「真水のプラス改定」の実現を求めた。北村良夫副会長は、物価対応料2点について、9年度より4点に引き上げられる見通しであることを踏まえ、最低でも4点が確実に確保されるよう主張した。
 そのほか、地域医療構想および医療計画等における医療機関機能の新設に関連して、若手医師から意見が出ていると永濵理事が紹介。急性期と高齢者救急の対象機能を分けることは、スキルアップを目指す若手にとって、モチベーションの低下や「直美」「直産」への流出につながるとの危惧を示した。制度設計をする行政が現場で働く医師の実態を十分に把握していないと述べ、今後は若手医師から意見を聞く機会も設けて、厚生労働省や財務省にも伝えてほしいと訴えた。
 さらに、北村副会長はOTC類似薬について言及。OTC類似薬が保険適用外となれば、診療科によっては保険診療のみによる経営が厳しくなるとし、最大限の配慮を要望した。

第2分科会/地域医療
地域医療構想やオンライン診療などを協議

 第2分科会(地域医療)では、①新たな地域医療構想②オンライン診療③いわゆる〝囲い込み〟の問題④災害時の支援・受援体制――をテーマに意見交換。大阪からは後藤浩之理事が、①②について発言を行った。
 坂本泰三・日本医師会常任理事は、冒頭のあいさつで地域医療構想策定ガイドラインに触れ、行政がこれを都合良く解釈し、議論を誘導する危険性を指摘。圏域ごとの調整会議では、医師会に主導してほしいと呼びかけた。
 新たな地域医療構想に関する大阪の検討状況については、大阪府医師会役員と大阪府行政が定期的に情報や意見を共有した上で、府医・病院協会2団体・府行政幹部による4者懇談会を開催したと報告。医療機関機能における「高齢者救急・地域急性期機能」を2分類する独自案が提示されたと明かした。意見交換では、府県境をまたぐ患者の移動が焦点となり、坂本・日医常任理事は、複数の行政が主体となって調整会議を合同開催することは難しいため、医師会が行政を巻き込みながら取りまとめていくことが望ましいとした。
 続いて、人口減少が著しい地域におけるオンライン診療の適切な活用事例などを共有。後藤理事は、大阪では該当する地域がないため対面診療を原則としており、通院が困難な場合にのみ活用すべきとした。特に、精神科領域の安易な診断書発行や向精神薬の過量内服・流用などを懸念。オンライン診療受診施設に係る届け出要件の簡素さ故に生じる安易な企業参入や乱立を防ぐため、医師会や行政による監視・監督の強化が求められると加えた。坂本・日医常任理事は、人口減少地域ではオンライン診療に頼らざるを得ない面もあるとしつつ、「グレーなオンライン診療が増えている」と憂慮。日医は規制の方向で協議していると述べた。
 いわゆる〝囲い込み〟問題を巡っては、かかりつけ医との関係断絶や治療の遅れが指摘された。営利を最優先する実態を問題視し、医療・介護サービスが適切に提供されるよう、監視体制の充実が肝要だとした。
 最後に、災害時の支援・受援体制について討議。各医師会から、令和8年熊本地震へのJMAT派遣で得た経験を基に、受援側としての想定の大切さが示された。そのほか、▽ブロック単位での統括研修実施の必要性▽JMATのメンバー構成▽通信手段――などが話し合われた。

第3分科会/勤務医
若手医師とのつながりについて協議

 第3分科会(勤務医)では、大学と医師会の連携や若手医師と医師会の協働・参画促進などに関する事前アンケートを基に、活発な議論が行われた。
 大阪からは、阪本栄副会長が大学医師会との連携状況を説明。在阪5大学医学部すべてに医師会が設置され、医学生に向けた特別講義や大学病院長・勤務医部会役員らと懇談会を開催しているとした。「新たな地域医療構想策定ガイドライン」に「大学病院による医師の派遣機能」が明記されたことからも、双方の連携は極めて重要だと加えた。また、清水智之理事は、大学医師会の事務局機能と入会率の高さが比例しており、運営の好循環を生むことが肝要だと考察した。各府県から、事務局機能・入会手続きなどの改善や学会との連携の必要性などが指摘されたほか、医師偏在対策に関連した議論では、地域の医療資源を把握する医師会と人事情報を把握する大学とが連携を深めていく上で、医師会による積極的な地域医療研修の受け入れや情報提供が不可欠との意見が上がった。
 若手医師と医師会の協働・参画促進については、各府県が、時間的制約の多い若手勤務医と関わることの難しさを示すとともに、自分事として参加できる企画や入会を後押しする仕組みを紹介。清水理事は、継続的な若手医師の登用や医師会活動を勤務と見なす環境設計の大切さを提示したほか、医学部生の段階で接点を持ち、普段触れ合うことのない場面にも参加を促しつつ関係性の構築に努めていると明かした。
 最後に、今村英仁・日本医師会常任理事が「地域医師会の役割が要」と強調し、新たな地域医療構想における特定機能病院(大学病院本院)の役割を中心に総括。専門医育成や医師派遣が今後の大学病院の責務となり、医師会との連携が不可欠だと言及した。また、大学教員の待遇に触れ、文部科学省が大学病院での診療行為に財政上の評価を与えていないことを問題視。日医として改善を求め続けていると述べ、予算措置が進みつつあると報告した。今後、地域医療構想においても大学病院は特別な位置付けとなると見通し、行政と大学病院との協議が行われる中で、地域医療を最も知る立場として医師会の積極的な関与を求めた。