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府医ニュース

2026年10月7日 第3158号

 ◆以前、テレビの特集で、15分に1回のたん吸引が欠かせない難病の女の子と、その子を保育園に通わせたいと願う両親の姿が報じられた。
 ◆親が望んでいるのは、特別扱いではない。子どもがほかの子と過ごす普通の日常である。だが、そのためには看護師の配置など社会の備えが要る。現状では、その悩みは尽きない。
 ◆ところがSNSには、親の責任を問う声や、「保育園に迷惑をかける」といった言葉が並び、さらに命の終わりを選択肢とする声まであった。本人が選べない病気や障害を理由に、周囲の負担から生死を論じる声もある。
 ◆私達は、命を社会に有用かどうかで測った歴史を持つ。旧優生保護法である。障害を理由に、本人の意思に反する不妊手術が行われた。その法律を違憲と最高裁が断じたのは、まだ2年前のことである。
 ◆問うべきは、どの命を残すかではない。家族に背負わせているケアを、どこまで社会が引き受けるかである。預ける場所があり、眠れる夜があり、働き続けられる。それが、命を支える社会の条件ではないか。(今)