
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年10月7日 第3158号
大阪府医師会は7月25日午後、「令和8年度第2回周産期医療研修会」を開催。府医会館とウェブの併用で実施し、医療従事者ら約200人が受講した。
はじめに、笠原幹司理事が開会あいさつ。今回は「ゲノム時代の周産期医療――産婦人科・小児科・遺伝医療の新たな協働」をテーマにしたと述べ、本講演が日常診療の一助になればと期待を寄せた。
続いて、鈴森伸宏氏(岩手医科大学医学部臨床遺伝学科教授)が「臨床遺伝学からみた生殖・周産期医療の進歩」と題して登壇した。はじめに、PGT―A・SR(染色体解析)とPGT―M(疾患遺伝子解析)を紹介。ASRM(米国生殖医学会)では、PGT―Aの実施により移植胚当たりの妊娠率の向上や妊娠までの期間短縮、流産率の低下が数多く報告されていると語った。加えて、年齢別にみたPGT―Aの効果に言及。年齢を問わず高い着床率を維持し、流産率も低く抑えられているとし、年齢が上がるほど効果を発揮すると解説した。一方で、ノイズとモザイクの判断が困難なケースがあるとの課題を示した。
また、日本のPGT―Mにおける倫理的な問題点を列挙。審査が非公開かつ不透明であり、審査委員が患者本人を知らない第三者であることなど、現状の仕組みが個人の尊厳・生殖の自由・自己決定権と衝突していると指摘した。そのほか、国によってはNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)による全ゲノム解析を行っており、7Mb以上の微細重複・欠失が検出可能であることなどを説示した。
次いで、松田佳子氏(大阪市立総合医療センター遺伝子診療部認定遺伝カウンセラー)が、「周産期医療における遺伝カウンセリングと意思決定支援」を詳説。まず、出生前検査の遺伝カウンセリングの特徴として、▽時間的制約がある▽結果の解釈の難しさ▽個人の価値観・倫理観の対立――など多くの要因の中で、胎児の生命を左右する重大な意思決定をしなければならないと言述した。また、遺伝カウンセリングにおいて、妊婦とそのパートナーの意思を尊重し、支持的かつ非指示的な姿勢で意思決定を支援することが求められるとした。さらに、出生前検査を検討・受検した妊婦とそのパートナーへの意思決定支援の実際について、松田氏が経験した症例が紹介された。