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時事

医師の開業規制

府医ニュース

2026年9月2日 第3155号

医師の偏在は解消するのか

 日本では卒後2年間の臨床研修を終えていればどこでも無床診療所を開設できる自由開業制が基本である。掲げる診療科も専門医の有無に関わらず、原則自由に選択できる。この自由開業制に対し、一定の規制を設けようという動きがいわゆる開業規制と呼ばれている施策である。都市部などすでに多くの医師・医療機関が存在する場所での新規開業に一定の制限を設ける制度となっており、令和8年4月より順次施行されている。
 外来医師過多区域とは外来需要に対して医師が多く、都道府県知事により新規開業の抑制が必要と判断された区域のことで、候補区域として『外来医師偏在指標』について「全国平均+標準偏差の1.5倍以上かつ可住地面積あたり診療所数が上位10%以上」の基準が提唱されている。全国で9カ所の二次医療圏が候補に挙げられており、大阪市がこの条件を満たしている。外来医師過多区域で新規開業する場合、①開業予定日の6カ月前までに都道府県知事に届け出る②「在宅医療の提供」「夜間・休日の救急対応」「医師不足地域での診療」など地域で不足している医療機能への取り組み意向を示す――必要がある。場合によっては該当医療機関の医療機関名の公表や保険医療機関の指定期間の短縮などのペナルティーが科される場合があるということだ。8年度の診療報酬改定では保険医療機関指定期間の短縮措置を受けた場合、「機能強化加算」「地域包括診療料/地域包括診療加算」「小児かかりつけ診療料」「在宅療養支援診療所」の算定や届出ができなくなる方針が示された。また管理者要件にも条件が追加され、今後は少なくとも臨床研修を含む5年間の病院勤務が必要となる。これは自由診療(美容医療)に携わる医師への影響があると考えられる。
 では該当区域で開業ができなくなるのかというと、強制ではなく調整の枠組みを整えるもので開業そのものを禁止したり許可制に移行する性格ではないようだ。そもそも「無床診療所は届出制」「医師の開業は憲法上の職業選択の自由」「閉鎖命令など強い措置は極めて限定的」といった法律構造から開業を禁止するような強い介入はそもそも難しいという前提がある。
 外来医師過多区域に該当する大阪市内でも医師の過疎地域もあり、同じ区内でも偏りが明らかに存在する。医師会員か非医師会員か、診療科による偏り、大手美容クリニックなども含んだ統計では? 通勤や通学などを考慮した昼間人口、夜間人口が考慮されているのかなど問題は多いように思われる。どのような議論がされてきたのか知る由はないが、この施策はすでに始まっている。(孝)