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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府警察医会通常総会・学術講演会

府医ニュース

2026年9月2日 第3155号

死因究明制度の意義に理解を深める

 大阪府警察医会(藤江博会長)は8月1日午後、大阪市内で令和8年度通常総会ならびに学術講演会を開催。約50人が参集した。

 講演会は、和田正彦・同医会副会長が座長を務め、大竹央朗氏(大阪府警察本部総務部留置管理課長)があいさつ。大阪府内の警察医は、年間1万人弱の留置人の健康診断や1万6千件の検案を担っているとし、警察業務への協力に感謝を述べた。
 講演では、池田典昭氏(近畿大学病院死因究明センター長/九州大学名誉教授)が、「日本における死因究明制度の現状と問題点」について伝えた。冒頭、日本は解剖件数や法医学者が少なく、死因不明社会と言われるが、その背景には日本の死因究明制度に課題があると前置き。異状死体を検死・検案し、犯罪性がある場合にのみ解剖を行うため、解剖が捜査目的になりがちだと問題視しつつ、検案の流れや解剖の種類を概説した。池田氏は、死因究明とは本来、①最期の状況を正確に判断し、死者の人権・権利を守る②同じような亡くなり方の再発を防ぐ――ことが主目的だと主張。死体検案書・死亡診断書の死因欄は死因統計の基礎情報になるとし、その重要性を強調した。遺族に「埋葬や戸籍に関する書類」と受け止められがちな現状にも触れ、正確な死因究明に対する理解が進まない一因だと指摘した。そのほか、「いまだに診たことのないような死に方もある」と語り、誤認検死を解説。死に方の多様性を示した。警察医がより働きやすく、正確な死体検案書が書ける死因究明制度を構築しなければ、死因不明社会のままだと警鐘を鳴らし締めくくった。
 講演を受け、松本博志氏(大阪大学大学院医学系研究科社会医学講座法医学教授)が、近畿大学病院死因究明センターについて質問。池田氏は、人材育成や若手医師の参入が可能となる好循環を生むための国・行政からの支援の必要性に言及し、そのためにも、死因究明が公衆衛生や国民が安心・安全に暮らすために不可欠だという機運を醸成していきたいと力を込めた。