
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2026年9月2日 第3155号
大阪府医師会学校医部会(部会長=宮川松剛・府医副会長)は6月17日午後、令和8年度第1回学校保健講習会を府医会館で開催。当日は2題の講演が行われ、ウェブとの併用で学校医・養護教諭など学校関係者ら約460人が受講した。
冒頭、森口久子・同部会副部会長(府医理事)があいさつ。今回は、学校現場で特に重要性が高まる課題として食物アレルギーと発達障害の2題を取り上げたと述べ、現場での対応や備えについて理解を深める機会にしてほしいと伝えた。
講演では、渡邉一男氏(同部会常任委員・学校保健対策委員会委員〈当時〉)が座長を務め、まず、竹村豊氏(近畿大学医学部小児科学教室医学部講師)が「大阪の学校現場で何が起きているのか?――医師が知っておきたい食物アレルギー対応の実際」と題して登壇した。食物アレルギーは小児期に最も頻度が高く、有病率の上昇に伴い原因食物も多様化していると説示。診断の流れを示すとともに、診断後の管理については「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」が原則と強調した。また、大阪府で4~7年度に報告された給食事故は700件以上と提示。事故原因は、献立の確認漏れや誤配膳など「管理プロセス上の人的要因」が約4割を占める一方、学校では事前に認知不可能な事故も約半数に上ると指摘した。その上で、学校生活管理指導表を記載する医師の判断は学校現場の安全に直結しているため、医療者にはチームのリーダーの役割を担ってほしいと呼びかけた。
次いで、久保田恵巳氏(同部会常任委員・学校保健対策委員会委員)を座長に、岡田俊氏(奈良県立医科大学精神医学講座教授)が「児童生徒の発達障害特性とメンタルヘルス」について解説。社会状況の変化に伴い、発達障害の有病率や診断閾値下で発達障害特性を有する子どもが増加しているとし、特性を念頭に置いた支援が不可欠と説いた。また、ライフステージごとに抱える困難や必要な支援は変化し、特に思春期・青年期は身体的発達や二次性徴による影響に配慮が必要と伝達。メンタルヘルス不調は自殺企図などのリスクを高めるため、一人ひとりの多様性を尊重しながら支えることが求められると結んだ。